サンアントニオからこんにちは

矯正歯科医な分子生物学マニアがアメリカ(テキサス州サンアントニオ)からお送りするアメリカでのポスドク留学生活ブログです。

こころの中で慰霊祭

2008-05-01 | 実験
昨日、おそらく留学先で行うであろう動物実験の最後の系が終了しました。

40匹のマウスさんたちが、あの世へ旅立っていきました。

こちらで行っている動物実験はみじかく説明すると、ヌードマウス(免疫機能不全のためガン細胞などの移植片に対して拒絶反応が生じない)へ、ある操作をしたガン細胞を接種し骨形成性の骨転移がどれくらいできるかをみています。
接種後3ヶ月以上飼育期間があるので、1つの実験系を開始してから組織切片などで実際にどういうことが起きていたのか確認するのに時間がかかります。

動物実験が終わる、というか飼育終了するたびに、こころの中で十字を切りながら組織切片作製のステップへ入っていってます。



こちらで実験に協力してもらったマウスさんたちは、あわせて約150匹でした。
協力してもらっているからには、その貢献が役立つような結果にしたいものです。


テクニシャン2人が深麻酔から採血、sacrifice、サンプルexciseまで幅広く手伝ってくれるため、前の施設で実験していた時に比べると労力に格段の差があります。

そんなテクニシャンのうち1人は、ラボを移籍することを決め、彼女との動物実験もこれが最後です。


日本に戻っても、いろいろ手伝いをしてくれるテクニシャンがいるような状況で実験できればいいな...なんて思いますが無理でしょうね。




そんなかんじで、昨日はこころの中でひとり、慰霊祭を行いました。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (デンデンママ)
2008-05-01 22:36:54
人類貢献とは言え、酷なものですね。
小さいながらも、命は命。
今度は人間の手が及ばないところで、
生まれ変わって来るよう祈ります。
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合掌! (glass)
2008-05-02 00:16:18
僕もこの間、不本意で蝙蝠を殺してしまったことがあります。よろい戸を閉める時に冬眠中の蝙蝠を挟んでしまったようです。その日は一日気分が重かったです。きっと、貴方も僕と同じようなお気持ちだったのでしょう。小さくても命は命だものね。
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人間は罪深い (プクちゃん)
2008-05-02 15:54:23
動物実験をしていなくても
人間が生きているということは毎日の食事であらゆる生物の命を戴いていることになります

植物だって立派な命
稲にしても本来人間に食べられる為に神様が創ったものではないでしょう

そんな多くの犠牲の上になりたっている自分自身の命
それを思えば変な人生は送れませんね
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役立つものに (青い鳥)
2008-05-02 19:45:24
小さなものでも、私達の役に立ってくれるものですね。
ところが万物の霊長である人間は、極度に他のものの役に立つことを嫌います。そして他のものに犠牲を求め、役立つことを求めているばかりで、恥ずかしいことですね。
そうした中で、献身して生きている人たちに敬意を表したいものですが、世の片隅に追いやられています。
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実験動物 (かんちゃん)
2008-05-03 22:20:28
デンデンママさん、glassさん、プクちゃんさん、青い鳥さん、

コメントありがとうございます。

動物実験を行うことに、反対している方も世の中にはおりますが、動物実験を行う研究者は、動物に不必要な苦痛を与えないとか、快適な生活環境をあたえるとか、さまざまな取り決めに従って実験を行っています。

また、実験を始める前に、その施設の委員会で、実験プロトコールを審査され、適切な動物実験なのかどうかが判断された上で実験を行っています。


でも、天寿を全うさせずに実験終了時にsacrificeするのは、組織をみるためにはどうしても必須なので...

もっときびしいコメントがくるものと思っていたのですが、御理解頂けて幸いです。
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