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子ども達の健やかな成長に
核兵器禁止・憲法活かす取り組みも
―憲法記念日とアニメに思う―
核兵器禁止・憲法活かす取り組みも
―憲法記念日とアニメに思う―
市民生活が、新型コロナウイルス対応一色に塗りつぶされています。市民の自主的な行事等も例外ではありません。例年ならメーデーや憲法記念日の講演会がゴールデンウィークの期間内に開かれ、会派からも参加してきました。しかし、ことごとく中止になっています。その中、安倍晋三首相は、改憲派の集会にビデオメッセージを送ったと報道されていました。
核戦争の無残
5月4日午前0時10分、NHK総合で新番組「未来少年コナン」が始まりました。
宮崎駿さんが監督をつとめたアニメで、新番組とはいうものの、1978(昭和53)年作品の再放送。新型コロナの影響で、制作が遅れた新作アニメに代わる放送です。
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超磁力兵器の戦争で崩壊した世界を描く冒頭。歳月が過ぎ、世界征服をたくらむインダストリアルが復活させようとする過去の兵器を、兵器復活のカギを握る少女を助ける少年コナン達が活躍し破壊。物語は、こうして平和を取り戻していきます。
作品が制作された当時、世界は核軍拡から核軍縮に舵が切られていました。しかし、東西冷戦構造が続き、軍事的には抑止と均衡の論理が幅を利かせていました。
相手より多くの核を保有し核戦争を回避するという抑止の論理と、相手と同等の核の保有で核戦争を回避するという均衡の論理のもと、核廃絶の道はまだ遠い、そんな時代です。アニメの冒頭シーンは、核戦争の無残を訴えるかのようです。
生き続ける核抑止
その時代から42年が過ぎています。
今でも核保有国は核兵器の廃絶に背を向けています。日本政府も、国連で採択された核兵器禁止条約を批准しません。米国の核抑止力、いわゆる核の傘に頼るためと言われています。
その米国が、イランとの核合意を一方的に破棄しました。合意はイランが核開発を制限すれば、米英仏独中ロの6ヶ国が経済制裁を緩和する内容でした。破棄を受け、イランは、核兵器の材料となるウランの濃縮を試みるなど、新たな核拡散の危機が高まりました。
また米国は、使いやすいという理由で、小型核兵器の配備を進めています。トランプ米大統領は、「柔軟かつ多様な核戦力」を持ち、報復に核使用を排除しない方針を示し、核の先制不使用も否定していません。
このもとで、米国が作ったイランとの緊張激化は核兵器の使用の口火になりかねません。その地域に、我が国は、情報収集の名目で、海上自衛隊の護衛艦を派遣し、5月11日に交代艦を出航させました。
トランプ核戦略は、42年前のアニメの警告=核戦争による世界の破滅の危険性が今の社会に生きていることを教えています。
改憲メッセージ
改憲派の憲法集会メッセージで首相は、新型コロナ感染拡大をとらえて、緊急事態条項創設を盛り込んだ自民党の改憲4項目を国会の憲法審査会で議論することを求めるなど、あらためて改憲への意欲を示しています。
自民党の改憲の本丸は、憲法九条です。安倍政権は、憲法の解釈変更で集団的自衛権の行使を可能とし、安保法制を強行可決しました。しかし、憲法による制約が残っていました。全面的な集団的自衛権の行使で自由に米軍との共同行動をできるよう、何としても憲法を変えたい。ここが改憲の最大の動機です。
自治体もコナンに
子どもの日を前に、市役所前の掲揚ポールにこいのぼりが掲げられました(写真は別)。子どもの健やかな成長を願うシンボルです。
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健やかな成長のため、新型コロナ感染の抑止に力を尽くすこと、同時に、世界的な課題・核兵器禁止に道筋をつけ、日本国憲法の恒久平和の理念を活かしていくことも大切です。
核兵器禁止の流れに掉さすトランプ大統領と、戦前のように戦争をできる憲法づくりをめざす安倍首相は、いわばインダストリアル。市民、そして地方自治体は、コナンとしての役割を果たす必要があるでしょう。
本市も参加する平和市長会議は、「核兵器禁止条約」の早期締結を求める署名などを提唱しています。
宣言の恒久平和の願いを活かすために、その大本の憲法を大切にする市の姿勢を示すことも重要でしょう。
積極的な取り組み・対応が望まれます。
文=伊藤浩之
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