伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

2月定例会の結果について議員だよりの記事を書きました

2018年03月20日 | 市議会
 議員だよりの原稿を書きました。

 今号は、議会の閉会と日本共産党市議団の議案への対応を知らせる内容で、主に反対議案に対する討論の概略をまとめました。

 本ブログでは、すでに討論を全文をアップしていますが、1万2,000字程の長い、長い討論を、簡潔にまとめてありますので、興味がある方はご一読ください。

 討論全文=いわき市議会2月定例会閉会・討論に立ちました。



南部火葬場有料化、介護保険料の値上げなど問題を指摘
日本共産党市議団は77議案中9議案に反対し討論



 いわき市議会2月定例会は14日、市長提案の77議案を可決、市民提出の請願2件のうち「重粒子線がん治療専門機関をいわき市へ誘致することを求める請願書」と議員提出の意見書5件を全会一致で採択し、閉会しました。日本共産党市議団は、市長提出議案のうち、南部火葬場の市民使用料を有料とする条例案や2018(平成30)年度当初予算など9議案に反対し、伊藤浩之議員が討論に立ちました。以下、討論内容を紹介します。なお、請願のうち、日本共産党議員団から紹介議員となった「災害公営住宅の市独自の家賃減免制度をさらに充実させることを求める請願書」は、産業建設常任委員会で審議が継続されることになりました。




 日本共産党市議団が議案に反対した理由は次の通りです。

■議案第8号、いわき市職員の退職手当に関する条例等の改正について

 退職金は、2度にわたる計約460万円もの引き下げで、労働者全体の生涯賃金引き下げにつながりかねず、地域経済への影響が大きいものです。
 また、争議権のはく奪など労働基本権制約の代償となる人事院が行った官民比較調査に法的根拠がなく、公務員にはない雇用保険を含めないなど調査方法も不十分なものでした。
 根拠がない引き下げは、問題があります

■議案第14号いわき市火葬場条例の改正について

 いわき勿来火葬場の改築にともない、市民の使用料を大人1体1万円とするなど、火葬を有料化する内容等でした。

 そもそも火葬は、伝染病を防ぐ防疫という観点から普及したもので、その利益は社会全体にあることから、個人が受益者とは考えられません。

 また、施設の改築に伴うサービスの向上による利益は、施設を利用する遺族などが受けるにもかかわらず、12歳未満は6000円とするなど、使用料に故人の体格差で格差をつけていることに矛盾があります。

 従って、いわき清苑の市民利用料を無料とするとともに、南部火葬場を引き続き無料として、故人との最後の別れの時間を遺族が心安らかに過ごすことができるようにする必要があります。

■議案第15号、いわき市国民健康保険条例の改正について
議案第39号、平成30年度いわき市国民健康保険事業特別会計予算について
議案第71号、いわき市国民健康保険税条例の改正について


 国民健康保険は、新年度から、都道府県単位化されますが、医療費を抑制できた自治体に、総額1000億円規模で報償を分配する保険者努力支援制度を実施するなど、医療費抑制が国の狙いです。

 こうした仕組みが、行き過ぎた医療費抑制対策を招き、加入者の受診抑制につながりかねません。

 また、今後、都道府県が市町村に示す標準徴収率や課税標準額が、市町村の税率決定等をしばる危険性があるなど、都道府県単位化には問題があります。

■議案第38号、平成30年度いわき市一般会計予算
議案第32号、いわき市介護保険特別会計補正予算・第3号


 一般会計予算案には、一つには災害公営住宅で収入が入居基準より超過する世帯に対する激変緩和措置を前提とした収入と、同じ内容で歳出に基金積立金が予算化しています。

 災害公営住宅に住む収入超過者となるものには、一定の経過後、建築費等からはじき出され、四沢団地で15万7400円などとなる高額な「近傍同種家賃」が賦課されます。このため、継続して居住することが難しくなる状況です。

 市は、このため「近傍同種家賃」となる時期を2年程度延期するなど激変緩和措置を決めましたが、家賃に対する支援の「充実」を求める請願書が2月定例会に提出されているように、生活再建に支援を求める被災者、被災地住民の要望に十分応える内容になっていないなど問題があり、この激変緩和措置を前提としていることには問題があります。

 2つには、個人情報の漏えいの危険などが大きい、個人番号制度にかかわり、システム利用の負担金や改修、個人番号カードの発行経費などが含まれています。同様の費用が含まれる議案第32号にも、問題があります。

 3つには、自衛官募集事務費で、自衛隊の新入隊員激励会開催が予算化されていることです。

 安保法制のもとで、自衛隊の任務がゆがめられました。。国土と国民の命財産を守るという専守防衛の任務から、アメリカ軍と共同作戦をとるため、海外の戦場に武装して出かけ、戦闘行為ができるようにされたのです。

 また、護衛艦「いずも」を空母に改修したり、巡航ミサイルの導入検討、オスプレイの配備や垂直離着陸が可能な戦闘機F35Bの導入検討などは、安保法制を前提に、海外での武力行使の能力を向上させるためと言わざるをえません。

 こうした安保法制を前提とした激励会は、自衛隊入隊者を海外での武力行使に送り出すことを激励する意味を含むこと、また、恒久平和を願う本市の非核平和都市宣言からも問題があります。

 4つ目に、小学校におけるフッ化物の洗口事業が位置付けられていることです。

 フッ化物に洗口は、幼稚園や保育所では、今年度から実施施設が拡大する一方、小学校では引き続き、モデル事業として実施され、この分野では理解が広がっていない状況があります。

 結果的に、いわき市歯と口腔の健康づくり推進条例が、フッ化物の応用に疑義を持つ学校現場に、連続して事業を持ち込む動機になっていると考えられるほか、学校等での実施は、業務の適正化が問題になる中で、多忙化の解決が図られないまま教職員の業務を増やす点でも問題があります。

■第41号、平成30年度いわき市介護保険特別会計予算
議案第70号、いわき市介護保険条例の改正について


 議案第70号では、第7期(3年ごとに改定される)高齢者保健福祉計画に基づき、65歳以上の1号被保険者の介護保険料を基準となる第5段階で年額3300円引き上げる内容です。議案第41号は、この引き上げを前提とした保険料収入を見込んでいます。

 介護保険料は、第1期に3万200円だったものが第7期では7万2800円と2・4倍もの引き上げとなっています。

 一方、制度の改定で、要支援1と2の介護サービスが保険給付からはずされ総合事業に移行されるなど、サービスの削減も続いています。

 市は公費の負担割合の見直しなどで保険料の上昇を抑える対策を講じるよう、全国市長会等を通して提言しています。この市の対応は、介護における市民生活の危機を反映したものとらえざるを得ません。この中での介護保険料の値上げには問題があります。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿