伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

いわき市書道展で保存会も揮毫

2022年12月10日 | イベント
 遠野和紙・楮保存会として書道展で揮毫するいう話しは聞いていた。まあ、自分が参加することになっていなかったので、詳しいことは全く承知することもなかった。
 ところがだ。今日の朝になって、電話がかかってきた。予定されていたメンバーが1人所用で参加できなくなり、代わりに出て欲しいというのだ。

 え。ムリムリ。揮毫とは聞いていた。字を書くであろうことは知っていた。小学生の頃、習字をしていたとはいえ、全くものにできなかった。自分の書いたメモを判読できないこともある。そんな私が人前で字を書くなんてありえない。そう考えていったんは断った。しかしことは今日の話。代わりを探すのも困難を極めているという。ここは腹を決めるしかない。やむなく参加を承諾した。

 メンバーは保存会会長、いわき市遠野支所長、地域おこし協力隊員に加えて私の4人。「遠野和紙」を1字ずつ揮毫するという。
 まあ揮毫は、テーブルの上で通常サイズの筆を使い、半紙程度の紙に字を書く程度のことだろう。そう考えていた。

 ところが、だ。
 会場に入ってみると、菊判の和紙が床に並べてある。大きな筆も容易されている。さらに揮毫する紙の周りには大勢の人がいる。


1番目に揮毫したいわき市チーム。筆を持つのは1番手の市長。


 えー・・。こんなところで書くの・・。絶句

 しかし、今さら引き下がるわけにはいかない。再度腹を括って出番を待つしかない。

 開始時間まで時間もあった。その間に展示された会場の作品を拝見させてもらった。一般の方も、幼児も、小学生も、中学生も、高校生もあったのかな・・どれを見てもしっかりした文字を書いている。ハネ、トメ・・どれもしっかり基本を抑えて、美しく整った文字に見える。作品を見ていると、自分がこれから揮毫することが信じられない。緊張が高まる。

 そうこうしているうちに書道リレーの時間が来た。参加するチームは、いわき市役所、特別後援の第一生命保険株式会社、遠野和紙・楮保存会、公文式泉定の田教室、泉書写書道教室、今宿書道教室、いわき市中学校書道展・特別賞受賞者、いわき市教育委員会の8チーム。それぞれのチームが用意した言葉を1人1字ないし2字ずつ菊判の紙に書いていく。

 1番手のいわき市チームは「人づくり」の4文字を揮毫した。いよいよ3番手の私たち保存会チームの番が来た。用意した「遠野和紙」。私は「野」の字を担当した。字を書く前に自己紹介をする。これまでのみなさん、みんなまっとうな内容の自己紹介だった。

 さて何と話そう。だいたいこんな中味だった。

 「今日の参加の電話をもらったのは今朝でした。来てみるとこんな状況(菊判の紙に衆人環視のもとで字を書かねばならない状況)。もう帰りたい。小学生の時習字を習ったとはいえ、ものになりませんでした。50年前のことです。まぁ、とにかくがんばります」

 とりあえず笑いはとったが、それでまともな字を書けるようになるはずもない。自分の版がきて、さらさらと筆を走らせ、のたくるような字を書いて終った。字も書いたが、恥もかいた気がする。とりあえず、とりあえず、書き終えて良かった。

 それから5チーム。子ども達のチームも立派な字を書いていた。
 すごいな-。
 午前1時に始まり、1時間強でリレー書道は終了。自宅に帰ったのは午後3時頃だった。

 協力隊員が言うには、書道展には50枚のちり入の菊判和紙を納めたという。私が漉いた紙も何枚か入っているようだ。字ばかりでなく、紙漉きもそんなにうまいわけではない。下手な紙でも役だって良かった。

 さて、今朝は朝の空に月が浮かんでいた。満月2日目。一部が欠けた白い月が青空に浮かんだ。




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