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2022年3月6日(日)快晴
向田邦子さんの遺品を常設展示している、かごしま近代文学館へ出発する。
山口県下関市から鹿児島まで距離にして360㎞、スバルS-4に乗れるのもしばらくの間なので残された時間を大切に過ごそう。
妻は朝、町内の道掃除と公会堂の掃除があるのでそれが終わって一泊する準備に取り掛かり9時30分に出発。
高速道路を休憩を入れながら走り、午後2時前に桜島パーキングエリアの食堂で豚骨黒豚ラーメンを食べる。
午後3時ごろ目的地のかごしま近代文学館に到着。この建物の中に向田邦子さんと生活を共にしていた品々が有ると思うと、少し心臓の鼓動が早くなる。
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検温と手指のアルコール消毒を済ませ、コロナ感染のため来場者を把握する用紙に住所氏名を記入する。
正面左手に鹿児島県ゆかりの作家の展示コーナーがあり、その中に下関出身の林芙美子さんのコーナーがあったが、11歳の時から暫くは鹿児島で暮らしていた時期もあったようだ。
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向田邦子さんも10歳から2年余り鹿児島で過ごしているので、エッセイの中でも多感なこの時期に過ごした鹿児島のことを「故郷もどき」と書いている。
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向田さんのコーナーは2階にあり、直筆の原稿やテレビドラマの台本、愛用のカメラ、洋服や青山のマンションのソファーが展示されている。
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展示室の中央には向田邦子さんが吹き込んだ留守番電話のメッセージがヘットフォンで聴けるし、壁際にも同じようにヘットフォンで20分少々の講演会が聴けるコーナーもある。
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向田邦子さんの直木賞受賞した「かわうそ」について読書会のような場所で講演会されており、読後の意見コーナーで、向田さんの話したことを私なりに要約す。
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先ずは人を白黒つけるのは面白くない。
主人公が社会的に許されないことをしたとしても、正論で正そうとしても面白くはく、そういう無駄なことや寄り道も含めて出来ているのが人なのでそこを書くことが面白い。
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次に、100人いれば100通りの解釈があってもよい。
読書会の存在はうらやましくも感じるが、私にはなじまない。
人それぞれの感じ方を話し合う必要を感じない。
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同じ人でも初めて読んだときに見えた景色と、数年後に読んでまた違った景色が見えるかもしれない。
同じ人間が読んでもそうであるので、みんなで意見を出しあうというより、その時点で自分の感じたことを大切にしていただきたい。
一時間以上向田邦子さんの空間に滞在し、売店でかごしま近代文学館が発行している書籍「向田邦子の目」「くにこのひきだし」「向田邦子の顔」3冊を購入。
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探してもネットでは買えない貴重な本だ。
その後、向田邦子さんも上ったであろう城山展望台に行く。何度も来ているところだが、ここからだと鹿児島市内が一望でき桜島が正面に大きく見える。
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向田邦子さんの旧宅後に向かう。城山展望台を下り先ほどまでいた、かごしま近代文学館前を通りすぎ、看板があるのですぐに分かった。
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坂のすぐ上にある石垣のあるところだ。今は多くの家が建っているが、当時は見晴らしがよかったのだろうと思う。
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向田邦子さんの旧宅後とかごしま近代文学館、城山展望台もすごく近い距離にある。
10歳の向田邦子さんの多分遊び場だったところに、かごしま近代文学館ができ、その中に自分の作品や生活した品々が展示されるとはさすがに思っていなかったろう。
夕方一路下関市に帰還。サービスエリアで吉野家の牛丼を食べ30ℓ5800円で給油する。下関に帰り30ℓ給油したら下関の方が1000円安かった。
鹿児島への往復700キロ以上、お疲れ様車と私。
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