チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

ジャック・ティボー初来日時の演奏曲目(1928年)

2016-10-12 23:30:16 | 来日した演奏家

ジャック・ティボー(Jacques Thibaud, 1880-1953)が初めて来日したのは1928年(昭和3年)5月です。



そのとき、帝国劇場で5月26日、27日、28日、29日、30日の5日間、午後7時から演奏会を開いたということです。ピアノ伴奏はタッソ・ヤナプーロ(Tasso Janopoulo, 1897-1970)。

その5夜の演奏曲目が『レコード音楽』1935年5月号に記載されています(上の画像も)。書いたのは音楽評論家・牛山充(1884-1963)。

 

1928年5月26日(土)
・スペイン交響曲(ラロ)
・シャコンヌ(バッハ)
・ラ・フォリア(コレッリ)
・オペラ「金鶏」から「太陽への讃歌」 (リムスキー=コルサコフ~クライスラー)
・スラヴ舞曲(ドヴォルザーク~クライスラー)
・ワルツイ長調(ブラームス~ホーホシュタイン)
・序奏とロンド・カプリチオーソ(サン=サーンス)

5月27日(日)
・ソナタイ長調(フランク)
・協奏曲変ホ長調(モーツァルト)
・イントラーダ(アントワーヌ・デスプラネス~Nachéz)
・タンブラン(レクレア~クライスラー)
・アリア(バッハ)
・楽興の時(シューベルト~クライスラー)
・前奏曲とアレグロ(プニャーニのスタイルによる)(クライスラー)
【アンコール】
・ロマンス(ベートーヴェン)1番か2番か不明
・小舟にて(ドビュッシー)
・ワルツニ短調?(ブラームス)

5月28日(月)
・クロイツェル・ソナタ(ベートーヴェン)
・協奏曲ニ短調(ブルッフ)2番か3番か不明
・ハバネラ(サン=サーンス)
・亜麻色の髪の乙女(ドビュッシー)
・スペイン舞曲(グラナドス~ティボー)
・サルタレロ(ヴィエニャフスキ~ティボー)
・中国の太鼓(クライスラー)

5月29日(火)
・協奏曲第3番(サン=サーンス)
・アンダンテ(モーツァルト)
・アレグロ(モーツァルト)
・詩曲(ショーソン)
・ミンストレル(ドビュッシー)
・泉のほとりで(シューマン~ドビュッシー?)
・スペイン舞曲(グラナドス~ティボー)

5月30日(水)
・協奏曲ニ長調(ベートーヴェン)
・幻想曲(ピエルネ)田園幻想曲のことか?
・ラルゲット(ヴェラチーニ)
・メヌエット(ヴェラチーニ)
・メヌエット・カプリース(ピエール・ローデ~ティボー)
・セレナード(ヴュータン)
・ロンド(モーツァルト~クライスラー)


同記事によると「帝劇の山本久三郎氏(1874-1960)がストロークと契約を結び、帝劇の文芸部の諸君が色々と奔走して同劇場で演奏会を開いた。入場料は7円、5円、2円の三種、今から見ると気の小さい人達はきもをつぶすような値段であったが、それでも人気は大したものであった。当時文芸部では園池公致氏(そのいけ きんゆき、1886-1974)が曲目や解説印刷の方を担任しておられた」。

。。。自分が知らない曲目もけっこうありました。クライスラー編曲のものも多かったんですね。
情報を訂正・追加していきます。