乳癌の話...その他の話...。

乳癌に関しては、あくまでも私の体験談です
その他は人生の回想や、日々の出来事です

ばあちゃん

2012-08-11 22:39:46 | その他の話
7月20日の入院から21日目。
夕方、病院より呼び出しがかかるも、容体が安定。(これで2回目)
面会時間ギリギリまで居て、私たちは病院を後にする。
お風呂に入って、キッチンの後片付けをしてると
弟より電話で、ばあちゃんが危ないのと病院から連絡が.....

病院へ着くと、モニターの数字は全部ゼロを表示。妹が「えっ?これって....」と
医師や看護師の顏を見る。 

私は、ばあちゃんの顏を見ると、動揺してしまい
「ばあちゃん...どうした?ばあちゃん...どうしたの?」
ばあちゃんの顏を両手でさすっても、反応はない。

「ばあちゃん、死なんで...ばあちゃん、死なんで....ばあちゃん、ばあちゃん....」

ばあちゃんは私に揺すられるまま、何の反応も見せず、黙って、目を閉じたまま。

「ばあちゃん、まだ死なんで....ばあちゃん、死なんで、まだ死なんで.....」

両手でどんなに頬をさすっても、私の涙がばあちゃんの顏にポタポタ落ちても、ばあちゃんの反応はない。

「ばあちゃん、死なんで....ばあちゃん、まだ死なんで....」

周りには、ばあちゃんを心配して集まった、弟家族や妹、そして私の息子、みんなも言葉をかけたかろうに...
そんな事はお構いなしに、私はばあちゃんに抱きついて、「ばあちゃん、死なないで...」を連呼した。

私の妹が、私の肩を抱き、私をそっとベッドサイドからベッド脇におかれた椅子へと誘導してくれるまで....。


ばあちゃんは89歳。89年の間にたくさんの愛する人に先立たれ、いつだって立派に見送って
しゃん!と、背筋を伸ばした人生を送ってきた。

43歳で私のばあちゃんになった。ばあちゃん。62歳でひいばあちゃんになった、ばあちゃん。
89歳で玄孫が産まれたけど、残念な事に、玄孫の顏は写メでしか見ていない。

入院する前々日、赤ちゃんのプクプクした手を握りたいと言ったばあちゃんに
首がすわったら、連れてくるね...って言った私。

玄孫は2か月の早産で産まれ、病気も持っていたので、なかなかご対面といかなかったから...
でも、今思えば、いつでも連れてこれたのに....悔やまれてならない。

89歳で高齢で、仕方のないことだけど、死んでほしくなかった。まだまだ生きていて欲しかった。


母の死、主人の死。とても悲しくて、辛くて、世の中が無常に思えたけれど
ばあちゃんの死は、ばあちゃんが死ぬことを阻止したかった。

ばあちゃんはどう思ってる?

ばあちゃんの遺志を、私は妹や弟に正確に伝えきれたであろうか?





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