乳癌の話...その他の話...。

乳癌に関しては、あくまでも私の体験談です
その他は人生の回想や、日々の出来事です

遺言状

2005-06-13 12:13:03 | 息子の話
乳癌だと判ってから、脳裏を過ぎるのはやはり子供の事。
平成10年、子供が4歳になったばかり、前の主人は肺癌で亡くなった。

お通夜に葬式にと、バタバタする中で
子供は従兄弟達と走り回っていた。

まだ、死を理解する事が出来ないんだ。

そう思っていたが、葬式を終え、自宅に戻ると突然子供が大声で泣き出した。
「お父さんがいないよぉー、お父さんがいない。」

まだ4歳の子でも、充分に死を理解していた。
悲しさを紛らわせる為に、従兄弟達と走り回っていたのだろう。

お父さんは死んでしまったけど、お母さんがいるから大丈夫よ。

子供を抱きしめたのを覚えている。

「お母さんは、死なないでね、お母さんが死んでしまったら、ひとりぼっちになってしまうから...。」

子供のこの言葉を聞いた時、例えナイフで刺されても、車に轢かれようとも
絶対死ねないと、肝に命じたのだった。

お母さんは死なないよ。

子供と約束した。
が、絶対に死ねない私なのに、乳癌になってしまった。

約束守れないかも知れない。

今は内縁関係であるが、主人もいるので、あの頃とは
状況も違うが、万が一を考えて、私の妹にも子供の事を頼んだ。

最低限の教育が受けれる程度ではあるが、生命保険もあるし、
葬式は互助会に入っているので、電話1本で来てくれるし、
納骨堂もある。

私がいなくなっても、困る事のないように
色々書き出した。

子供に手紙も書いた。 つづく...。


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