ある土曜日の昼下がり、バッタとカタツムリとムカデが、
バッタの家でビールを楽しく飲んでいました。
ところが盛り上がっているさなかビールを切らしてしまい、
誰かにビールを買いに行ってもらうことにしたのです。
カタツムリは言いました。
「僕が買いに行ってもいいんだけど、僕は遅いからなぁ。
バッタ君、君ならこの近くのことは一番よく知ってるだろう?」
バッタは言いました。
「僕が行っても構わないよ。ただし、僕は跳んじゃうのでビールが
シェイクされて、開けるころにはそこらじゅうにスプレーされちゃう。」
そこで遅くもなく、跳びもしないムカデがビールを買いに
行くことになりました。
バッタはムカデに、近所の酒屋へ行き方を説明します。
そしてムカデが出発してから1時間ほど経ちましたが、
ちっとも帰ってくる様子がありません。
仕方ないのでカタツムリとバッタは、店までムカデを探しに
行くことにしました。
すると・・・ムカデはすぐ見つかりました。
彼は家の玄関に座って、まだ靴を履いていたのです。