ありきたりのシアワセ UK

little things in Britain

七月十一日

2008年07月14日 03時03分07秒 | things
2年前の7月11日
おばぁちゃんが天国へと旅立ちました。

その半年くらい前から”覚悟しておいてね”と母に言われいた、”今は落ち着いているけど、いつどうなるかはわからないとお医者様に言われた”と。


その月は丁度ビザの更新月で、ホームオフィスにパスポートを送らねばならなかった、
もし送ってしまったら最低早くても1ヶ月はかかり、その間イギリスから一歩もでられなくなる。

何か自分の中で胸騒ぎがしたんだろう
行くと決めて、その3日後には飛行機に乗っていた気がする。

家からおばぁちゃんの病院まで自転車で行って付き添った。
やせてチューブだらけでそのチューブをとってしまうからと言ってベッドに縛られたおばぁちゃんの姿に涙をこらえるのが精一杯だった。
もう意識はないけど、沢山話しかけた。

か細い声で
”かゆい”
”喉が渇いた”
”水”
と言うたびに、お水を浸したガーゼで唇を濡らしたりさ、手をさすったりした。

交替で来る付き添いの叔母ちゃん達(おばぁちゃんの娘達)が一生懸命看病していた。

話しかけたり、手をさすったり、思い出話をしたり、笑ったり、自分の頬をおばぁちゃんのそれに寄せたり
自分たちの母親のそばで娘に戻っていた。
頑張って元気になってほしいと誰もが願っていた。
こんなに娘達に愛されておばぁちゃんは幸せ者だと思い
母親を看病する日がいつか自分にもやってくるのだろうとおぼろげにも考えさせられた。

一週間過ぎ、飛行機に乗る為に東京へ戻らなければならない日が来た。
ビザの更新さえなければもう少しいられたのに。

おばぁちゃんまたね、とおでこにキスをしてさよならした。


そして11日の朝、成田へ。
イギリスへ着き妹からのメールで
11日の朝8時20分頃、おばぁちゃんが亡くなったと、成田でアナウンスで呼び出してもらったけど
お姉ちゃん気づかなかったみたい、とあった。
その時は丁度空港にいた、何も聞こえなかった、意識が宙をさまよっていたかもしれない。
あまり覚えてない。
でもきっとおばぁちゃんは私がイギリスへ発つまで頑張ってくれたんだろうと思っている。

小さな頃、沢山のいとこ達もそうだったように、おばぁちゃんの家に行くのが大好きだった。
小柄で良く笑い、良く孫達を叱っているおばぁちゃんだった。
台所で使い古しの歯ブラシで毛染めをしている姿が今でも忘れられないし
おばぁちゃんの布団であんかを抱きながら寝た事も覚えてる。

お葬式には出られなかったけど、おばぁちゃんに最後に会えて沢山触れられて良かった。



去年帰国した時にお寺参りした時も沢山話して来た。
ますます小さくなっちゃったね、おばぁちゃん
でもおじいちゃんが10年も一人で天国で待ってたんだから、そこから二人で仲良く娘達や孫、ひ孫達の事見守っててねって。

今年のおばぁちゃんの命日、金曜日
仕事で体が疲労と脱水症状で最後のお客さんをキャンセルしなければならなかった。
夕方頃に、トイレに朝一度行ったきりだと気づいた。

水分補給して、身体休めろっていうおばぁちゃんからの信号かな?

はいはい おばぁちゃん
今日は一日のんびりしてたよ~








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