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四月馬鹿(その2)

ぼーずが正式配属になったのは今の会社の誕生の地、遠州に古くからある地方都市であった。ここに限らず、こういった所には古語が方言として残っていることが多い。遠州出身の読者が居るといけないので伏字にするが、ツ〇〇と言うのが古語から来たいわゆるワイセツ用語であり、人前で言ってはいけない言葉であった。

この言葉になじみのない地方出身者が4月の定期入社時には何人も入ってくる。狙われるのは寮に入った人の良さそうな恥ずかしがり屋や気取り屋達。初めての休みは街に出ることを勧められる。何処そこの何が美味い、かにが安いと先輩から説明を受けていると突然『やぁー、すまんけど買いもん頼めんかやぁ』と言われメモを渡される。

曰く。遠州名物に『ツン〇饅頭』なる銘菓があり、駅前では西武デパートの地下にしかない。何せ銘菓であるので無くなるのが早く、店頭には出していない。手に入れるコツは和菓子屋のお姉さんに『今日は〇ンビ饅頭ありますか?』と聞くことだ。

但し、一見さんと思われるとにべもなく『ありません』と言われるが、ここで諦めてはいけない。常連用に店員が少量を隠し持っているはずなので『すみませんがお姉さんのを分けてください』と頼んでみろと言われ、金を預けられる。もし本当に売り切れていたら預けた金で飯食っていいよという優しい?先輩も居た。

もうお判りだろうが、誰一人としてこの銘菓ツ〇ビ饅頭を買って帰らなかった。中には本当に店で怒られたものも居たが、毎年なので『あんたはからかわれたんだよ』と教えてくれる人もいたそうだ。今ならセクハラで警察に通報されるかもしれない。
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