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大盛りを食えん小物達

高校生の頃、仲間と良く通ったカレー屋が西宮北口にあった。ここの名物は店の名を冠したサンボアというカレーで、フライパンでご飯を炒めながらルーを絡めて仕上げるものだった。これに生卵が載れば大阪自由軒のカレーになる。サンボアの凄かったのは、おばちゃんが皿にご飯をよそいながら確認し、いくらでも大盛りにしてくれるとこだった。

普通のカレーだとルーがこぼれるのでカレー皿の窪みに盛るが、ご飯に絡めてあるのでの縁から目一杯盛ることが出来た。我々はカキ氷を食べるかのように、こぼさないよう縁から注意深くスプーンを入れた。ここでの重罪はこぼすことと食べきれずに残すことだった。滅多にいなかったが食べ残した奴は『残されるのが嫌やから、最初に聞いてるんやろ』とこっぴどく怒られていた。

世の中、食事は食べ残すのがマナーの国もあるが、大盛りを頼んだら完食するのが日本のマナー。最近これを守れん奴がいるようだ。甲子園球場の外野からちょっと歩いた所に大力食堂という店がある。阪神甲子園駅からかなり距離があり、商店街の中にある店でほぼ地元の人間が行く店だった。



この店が有名になったのは大盛りカツ丼。ちっと尋常でない量のカツ丼で丼に山盛りの為、取り皿ならぬ取り碗が付いて来る。それでいて価格が800円という運動部御用達メニューだった。実際、壁には高校・大学のラグビー部・アメフト部・相撲部等の色紙が飾られている。この大盛りを少し前から出さなくなったそうで、外にはわざわざ貼り紙がしてある。



理由はインスタ映えとかほざき、写真だけを撮って全部を喰わずに帰るバカが増えたためだ。『せっかく作ったものを半分以上残して帰られるのは料理人として耐えられん』親父の言い分はもっともだと思う。たまたま空いた時間に行ったら客は僕だけで読売TVの取材が入っており、親父の訴えを聞くことが出来た。

残した奴には持ち帰りを勧めているが、中にはそれにすら文句を垂れる奴が出てきたそうだ。『だったら、キッパリ大盛りを止めようと思った』とか。大盛りの写真はあちこちでUPされているそうだが、僕が頼んだ小盛りでも ↓ これ(笑)。どこが小盛りやねんと言いたくなる量だ。味はやや濃い目で、玉葱のシャキシャキ感が残り、僕の好み。(玉葱は煮込み過ぎると余計な甘みが出て、それが嫌なんでうちでは白葱しか使わない) カツは小さく切ってあり、スプーンも付いているので食べやすい。



『カツ丼が好きな人には、お腹いっぱい食べて欲しい。止めたと言ってるけど、どうしても食べたいと言うてくる人にはまだ作ってるんや』この親父の気遣いを意気に感じた人は残すんじゃねーぞ。尚、番組は読売系で朝に流すそうな。インタビュー中、沢庵をボリボリ言わす音が後から聞こえたら、犯人はワタシ・・・ごめんな(笑)。
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