日本では盛り下がったままラグビーワールドカップが終わってしまった。結果はぼーずの予想通りオールブラックスの優勝。日本は念願の一勝をあげることなく予選を敗退した。ぼーずが失望したのは選手でなく紋切り型の『気合が足りない』という批判だった。
素人が言うなら許されるが監督の清宮まで言うかね。敗因に気合を求めた時点で未来への展望はなくなる。但し・・・気合で勝てることもあるから話は厄介なのだ(どっちやねん)。むしろ闘将、龍コリニアシの言っていた『代表は所属チームでなくジャパンに忠誠心を持って参加せよ』は単なる気合論ではなく納得できるものだった。
簡単に言うとラグビーは三年日本で暮らしていれば、ナショナルチームに参加出来る。彼らは企業プロの集団なので所属チームにロイヤリティを持ってしまうというのだ。コリニアシのように母国トンガでは吹奏楽部で日本に来てからラグビーを始めた選手に言われるとなるほどと思う。
得意の長い前置きになってしまったが、国の代表というプライドが見事に開花したチームの映画を見た。イーストウッド監督の“インビクタス”、行こうと思いながら見逃してしまったのが悔やまれる程いい映画だった。
当時、世界ランク10位辺りに低迷し、国の恥と言われていたラグビー南アフリカ代表スプリングボクスが95年のワールドカップで勝ち上がり、ついにはオールブラックスを破って優勝した話だ。こう書くとお決まりのスポ根ものと思われそうだが、いい意味で裏切ってくれる。映画は当時の南アの様子から始まった。
アパルトヘイトに反対し27年間刑務所に収容されていたネルソン=マンデラが8代目の大統領となった頃、ボクスの名称とユニフォームは悪しき過去の象徴として廃止される運命にあった。それに待ったをかけただけでなく、民族融和の象徴にしたのがマンデラだった。
彼は南アを人種でまとめるのではなく、一緒になって一つの国を作ろうとする。白人のスポーツと人気のなかったラグビーが国民の誇りとなる過程が見事だ。ローデシアのように豊かな国でありながら白人を追い出した後、国として機能せずに荒廃することが多いアフリカ諸国にあって、マンデラのリーダーシップが光る。
ボクスの主将役にマット=ディモン。また、モーガン=フリーマン出演はマンデラの意向だったそうだが、写真を見る限りこの人フリーマンよりニカウさんにそっくりなんだなぁ。
最新の画像もっと見る
最近の「ひげぼーずのつぶやき」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事