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これ、面白かった

初めてイノシシを食べたのは大学生の2年だった。ゼミの教官に学生でもいける値段だから行くぞと言われみんなで八瀬(比叡山の麓)の奥地まで出向いた。白味噌の出汁で煮込まれた肉は臭みなんかない上に肉自体に旨味が凝縮されており、猪って美味いもんだなというのが印象だった。

それから暫くは食べる機会がなくご無沙汰だったのだが、ドイツではステーキを食べたことがあった。クランベリーの甘酸っぱいソースがかかっていて悪くはないのだが、個人的にはボタン鍋に軍配を上げたい。どうも甘い肉は苦手だ。



先日読んで面白かったのが千松信也氏の ↑『僕は猟師になった』という文庫本だ。 京大の学生だった筆者が猟師になった話で、プロになったと言うのではなく自分で食べる肉は自分で確保するという信念からというのが興味深かった。彼は猟に鉄砲でなく罠を使う。

これまで罠猟と言うと無用な苦痛を動物に与えるという気がしてあまり好きになれなかったのだが、食われる方にすれば鉄砲も罠もそう変わらないのかもしれない。また、罠猟師でもとどめをさす時は鉄砲を使う人もいるというのだが、彼は撲殺を選ぶ。

この辺は、ちょっと顔をしかめる人がいるかもしれない。が、肉屋から肉を買ってくるだけの人より獲物に対する感謝の気持ちを持っていることが伝わってきて僕には不快ではなかった。捉えた獲物は出来るだけ早く処理をするというのも著者なりの動物に対する敬意と感じた。

彼によると京都の山では猪より鹿の生息数が増え、木々に食害も目立つという。鹿が増えすぎて害があるなら、それを食べて自然を守るという考えがあってもいいと思う。正月に神戸のフレンチでシカを食べて脂の乗りに感激したがあれはエゾジカだった。

残念ながら本州の鹿は脂の乗りが少なく、刺身の方が美味いそうだ。但し、フレンチにはクレピーヌ(網脂)で包んだり、背脂と一緒にローストする方法もある。この辺はやはりジビエが特別なものでない国の強みだなぁ。
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