「脱官僚」を目指す鳩山内閣が発足した。当の官僚たちは連立政権をどうみており、霞が関に乗り込んだ新たなボスにどう処する気構えなのか。財務省と国土交通省の中堅、経済財政関連省庁の若手の3官僚が本音を語った。(取材は個別に行いました)【政権交代取材班】
--政権交代をどう思いますか。
財務 各省とも、役所と前政権の与党政治家が互いに縛りあってガチガチになっている政策がいくつもあるので、思い切ってご破算にできるいい機会です。10年に1度くらいは必要と思います。
経済関連 徳川幕府も15代で滅びました。同じ組織が権力の座に長く就いているのはおかしい。来るべき時が来たという感じです。
--省内の空気は。
財務 まだまだ様子見ですが、「食わず嫌いだっただけで、案外交代してよかったかもね」と話しています。
経済関連 「ワー、敵が来た!」という印象はないですね。うちは官僚の権限に固執する体質ではないので、民主党を反対勢力と思わない。許認可権限がかなりある農水省などは利益が結びつくので抵抗があるかもしれません。
国交 予算を組み替えるので、何か変わるだろうと思っていますが、今やれることはない。民主党のマニフェスト(政権公約)と従来の施策が明らかに違うダムや有料道路の部署などは準備していると思います。
--「政治主導」を掲げる新政権の与党、民主党の官僚批判はどう感じましたか。
与党政治家は本来、厳しい判断は自分が背負わなければならない。サボって判断を先送りすると、官僚が「誰も困らない選択肢」に逃げこむしかない。そこが分かっていないのではと思ってしまう。
国交 官僚が物事を決めていたとしても、反対者の声を聞いて落としどころを探す調整の苦労があり、斬新な政策もこぢんまりすることがある。政治主導により、政治家が一番いい案だからやると決めるなら、大胆な施策を打ち出せるのではと期待する。
財務 民主党には「自分で考える政治家」が自公政権よりは多いと思う。これからは「プラスの配分」ではなく、痛みをどう分かち合うかという「マイナスの配分」の時代。政治家はマイナスの配分から逃げる傾向があるが、新政権は「財源は大丈夫?」と注目されており、逃げないと期待しています。
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--国家戦略局は機能しそうですか。
財務 来年度予算は7兆円カットして、マニフェストの政策につける。後は省庁ごとに何兆円カットするか。財務省も知恵を出すだろうが、官僚批判の中で権威を失って非力です。国家戦略局や行政刷新会議には各省庁の中身を見て、メリハリをつけてもらえると期待しています。
国交 実際問題として霞が関の仕事はかなり細かい。象徴的な政策に絞れば、個人的には機能すると思う。
--「政治家の手足」になる覚悟は。
経済関連 役人はまさに政治家の手足だと思う。指令が右なのに手足が左へ向かうようでは、官僚組織の体をなさない。大臣の指示に反抗する人は周りにいません。
国交 手足と言われ気分が悪い人もいると思うが、発想を転換し知恵袋と受け取ればいいのでは。
--マニフェストでは無駄遣いを削り2013年度には16・8兆円を捻出(ねんしゅつ)する計画です。
財務 このうち半分程度は可能だが、それ以上は社会保障や教育など、どうしても必要な部分に切り込む。国民の総スカンを食うと思います。
国交 与党は優先順位の高いものから予算をつけ、つけられないものを無駄として削る考え方では。与党に無駄でも、地元に無駄でないものもあります。
経済関連 単年度で使い切るため無駄を防げなかった予算制度を、3年や5年にすれば変わります。
--今年度補正予算(13・9兆円)からは最大4兆円程度を削減する方針ですが。
財務 あの予算は本当にいいかげんでした。すべての関係者を満足させようと予算をつけまくったので、半分くらい不要なはず。ただ、いったん自治体に期待を抱かせた分の停止は難しいでしょう。
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--「天下り根絶」は。
国交 若い年代は、天下りはなくなると思っていた。だがやめるには経過措置が必要です。幹部は天下りを前提に人生設計してきたでしょうから。
財務 今の処遇のまま、60歳以降の年収がなくなると、人材が集まらなくなり、日本は他国からますます「出し抜かれる」国になるでしょう。キャリアのうち優秀な者の給与を倍くらいまで上げてくれるなら文句はありません。
--民主党の主要公約について意見を。
国交 高速道路無料化は反対。環境面でもあり得ない。道路の維持管理にもお金がかかる。八ッ場(やんば)ダムはあそこまで造って中止するのは、逆に無駄。道路も鉄道もできており、旅館も移転し観光客を呼ぼうという話になっている。
財務 子ども手当や高校無償化がなぜ年収1000万円以上の世帯にも必要かわからない。低所得者に手厚く配分するのが、国の役割では。
経済関連 子どもを大事にして将来を考える発想はいいが、給付はサービスにしてほしい。24時間経営の保育園や幼稚園の整備か。我が家も保育園には苦労した。
--自民党や族議員への思いは。
国交 利益誘導でゆがめられてきたことは絶対にあった。役人に案を出させ、手直ししたから「おれたちの成果だ」ということもしばしばで、ずるいところもありました。党への対応にも時間がかかり、案を大臣にあげる前に族議員と調整が必要でした。
財務 善かれあしかれ官僚への「信頼」はあったと思う。
--新政権に期待は。
国交 国民もどうなるか分からない上で選んだ。こうなった以上は「お手並み拝見」ですかね。これだけ官僚の仕事が変わると騒いで変わらなければ、問題と思います。
経済関連 政権交代は楽しみです。ただ、反対の声が多かった政策もある。世論と向き合い、ベストの選択をしてほしい。失敗したら非を認めて謝り、次に生かす政治を望みます。
財務 期待しています。自分は甘いことだけ選挙民に言って、厳しい判断は先送りする政権ではないと信じます。民主党の先生たちは、官僚に「不信感」を抱いているそぶりをしないと、存在意義が問われると思っていた節がある。毎日顔を合わせる関係になって不信感が解消されればいいと思います 【毎日JP】
民主党政権を官僚はどう思っているか本音を取材した思われるが、財務官僚の意見と思われるが他省の官僚の意見もどうせなら聞いて欲しかった。
自民党の政策の誤った、馴れ合い政策と思われる点も指摘しており黒船来航とばかり緊張感を持っているところも見える。
では民主党と、どう対応するかについては、当然政権党の指導に従うと言う、公務員の当然の義務であるという健全な心構えを持っている事・政権交代で新鮮味をもって業務に当たろうとする意気込みが伝わってくる。
しかし、誰が考えても観光客を呼ぶ所まできている生活環境も出来ている八っ場ダムの中止・子供手当ての1000万円以下に対する支給については、予算のムダだと提唱している事も疑問を持っている事も健全性が見えてくる・・・・・
民主党に新鮮味はあるものの、ムダの排除に拘るのもよいがマニフェストに書いてあるからと、政治主導に余りにも柔軟性が無いところに疑問を感じてならない・・・・
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