神奈川県小田原市付近を走行中の新幹線「のぞみ225号」で発生した火災で、車内は逃げまどう乗客らでパニック状態になった。
先頭車両のデッキで乗客が油をかぶり、火をつけたという。列車は線路上で緊急停止。開け放たれたドアからは負傷者とみられる乗客が担架で運び出され、現場は緊迫した雰囲気に包まれた。
新幹線が緊急停車したのは、神奈川県西部の山間部のトンネルを抜けた地点。上空には報道機関のヘリコプターが旋回した。
新幹線のドアはすべて開いた状態で、車両から乗客が次々と救出された。中には担架のようなもので搬送される人も。車内に残された乗客は不安そうな表情を浮かべ、ドアから身を乗り出して見回したり、携帯電話をかけたりしていた。
新幹線の開いたドアから携帯電話をかけていた乗客は、「停車してからエアコンが止まった。さきほど電気が通じたが、それまで客室は蒸し風呂状態だった。体調を崩している乗客はいない」と話していた。
列車内に居合わせた記者の撮影映像を報じた民放テレビによると、発生直後の先頭車両内は白煙が立ちこめ、後方車両に逃げようとする乗客らで混乱。子供を抱きかかえた乗客が煙にせき込みながら避難する様子が映し出された。
ツイッター上には、この新幹線に同乗したとみられる乗客らからの書き込みが相次いだ。
ある乗客は、火災発生直後、「火災?かなんかで、新幹線止まったが、ケムケムよ、なんか」と書き込んだ。書き込みによると、その後、別の車両から乗客が避難してきたり、冷房が止まったりしたとみられ、別の乗客は「車内は焦げ臭くて、電気も来てない。今、警察や消防のサイレンが聞こえ始めた」と緊迫した様子をツイートした。
初めての火災・今後の教訓残す