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in my pocket

被災地の皆さんが安心して暮らせる日が早く来ますように。

どちらかが彼女を殺した

2008-12-21 23:29:15 | yonda?
 このブログでは8作目の東野圭吾作品です。1997年の作品だからでしょうか、推理小説としてはよくできていると思うのですが、人物が今いち薄っぺらいような。個人的には、推理小説としては不出来でもいいから、人物がよく描けているものの方が好きですね。推理小説としては、邪道かもしれませんがw少し物足りない気がしました。

闇の子供たち(原作)

2008-11-30 23:45:49 | yonda?
 映画版の方では臓器売買がメインになっていたのに対し、原作ではその問題が出てくるのは大分後の方で、幼児売春の方がメインな気がします。が、その描写の生生しさに、読者はむしろ嫌悪感を感じてしまうのではないでしょうか。その悲惨さを伝えることが作者の目的だとしたら、少し外れている気がします。問題提起という要素は十分持っていますが、下手をしたらバイオレンスものととらえられかねません。

悪意(ネタバレあり)

2008-11-10 23:45:45 | yonda?
 このブログでは7作目の東野圭吾作品です。加害者と刑事の立場から交互に殺人事件が語られるという手法ですが、個人的には、語り手の交代によって感情移入が難しくなるので、あまり好きではありません。一応ミステリーなので、謎解きがあるわけですが、犯人探しというよりは、犯人が決して語ろうとしない動機を探るという内容です。

半落ち(原作)

2008-10-14 23:04:21 | yonda?
 先に映画版の方をDVDで見てから原作を読みました。まず、主人公の梶のイメージは寺尾聰さんで間違ってないと思います。また、原作では登場人物たちがそれぞれの立場から事件や梶に対して関わっていくという描写で章立てになっていますが、映画では一貫したストーリーとして描かれていて、それはそれで大筋は違っていないのでいいと思います。ただ、ラストは原作の方が好きかも。

春のオルガン

2008-09-17 22:53:35 | yonda?
 私の中では3作目の湯元香樹美さんの作品です。本作の中で一番印象に残ったのは、主人公のトモミのおじいちゃんの「持ってるもので争うくらいなら何も持たずにいるんでかまわない。」というセリフです。単なる奇麗事ではなく、自分の中に誰かを不当に傷つけてしまう暗い感情があると認めた上でのこのセリフ。決してお説教をするわけでもなく、自分の中に存在する「怪物」を抱えて苦しむトモミの気持ちに寄り添う姿に、この作者の作品に共通する、決して押し付けがましくない暖かさのようなものを感じました。

月の裏側

2008-09-01 22:56:44 | yonda?
 久々の恩田陸です。ジャンルでいうとホラーになるのかな?私的にはちょっと不消化な感じです。感情移入できる登場人物がいなかったからかな?ストーリー展開も、あまり身に迫るものがなくて、そこまで恐怖は感じられなかった。途中で語り手が代わっていくのも、物語に入り込むのを邪魔されてる感じってゆーか。ラストもどうも納得いかなかったです。

蟹工船

2008-07-11 23:58:19 | yonda?
 話題になっていたのと、職場の人が読んだというので。そして久々の新潮文庫の100冊です。正直私はある程度の給料をもらっていて、そう生活に困っているわけではないので、たぶんワーキングプアの人の気持ちとかは分からないと思います。ただ、日本人に限らず、外国人労働者などでも不当に搾取されている人はいると思います。

眉山

2008-05-17 21:22:22 | yonda?
 ドラマ版の方を見て興味を持ったので読んでみました。ドラマ版では泣かせのラストになっていましたが、原作は全然違っていて、それはそれでいいなぁと思いました。本作の舞台は徳島。私にとっては未知の世界です。ちょっと行ってみたくなりました。そして、本作で一つのテーマとなっているのは、献体。これも身近にはない話題です。

送り火

2008-04-12 10:25:18 | yonda?
 このブログでは7冊目の重松清さんの作品です。富士見線という私鉄沿線上で暮らす人々の生活をテーマにした、オムニバス形式のアーバンホラー。といっても、一つ一つの物語はそれぞれ短編として全く独立していて、個人的に一番泣けるのはやはり表題作の“送り火”かな。でも最初の作品の「一人ぼっちの人に猫が入り込む」って話も、なんとなく分かる気がしました。

陰日向に咲く(原作)

2008-03-21 22:37:35 | yonda?
 以前から気になってはいたのですが、映画がよかったので、買ってみました。基本的に短編集なので、映画ではいくつかのエピソードをつなぎ合わせた形になっていますが、原作でもそれぞれのエピソードが微妙にリンクしてたりします。映画では使われなかったエピソードもあったりして楽しめました。一番泣けたのは、やはり映画版でもメインになっていた、オレオレ詐欺の話ですね。