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耳なし芳一琵琶供養祭  演奏後記秋山良造

2009-07-17 09:29:21 | 平家琵琶

平成21年7月15日 耳なし芳一琵琶供養祭   於:下関赤間神宮

奉納曲句: 福原落  奉納演奏者 秋山良造

平家は都落ちを決める。京都を落ち更に、福原を落ちる。行く先に夢も安住も約束されてはいない不安を抱えての船出であった。平一族の人々の緊張と不安の様子を波に漂わせ、淡々と綴られ語られる曲である。まもなく訪れる一族の人々の破滅を後世の人間は、知っているだけにこの船出はより一層哀れに響いてくる。

此の奉納によって私は一族の心の内を、安徳神の御前で不安と破滅と再興の願いも虚しく消えた事を知った上での船出の曲・語りである。聲は詰まって絃は静かに低くしか響かった。

奉奏後、聴者の感想「平曲は、低く静かにまるでお経のように語っている。」この言葉を頂いた時、鎮魂の為の演奏が私の目的であったので良かったのか、やはり力量不足のなした事であったのかと考える。

本日 琵琶3流 筑前・薩摩・平家の奉納であった。

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平家琵琶定期演奏会(7月5日)演奏後記 秋山良造

2009-07-07 09:55:52 | 平家琵琶

平家物語探訪 (その16) 演奏後記 平成21年7月5日 於:石響サロン101

曲句:奈良炎上・入道逝去…奏者秋山良造…

平家物語の中半にかかる山場、清盛の死を境に時代が大きく変わろうとする場面であり、曲趣も、聴き所も違う二曲である。

奈良炎上  炎上物の中でもその描写は凄まじい。凄惨さと灰燼になった後の寂寥感をどのように表現するか?長大70分の演奏時間を聞いて頂かなければならない。高低、振幅、緩急自在の演奏を要求される曲句であった。

入道逝去  清盛入道が死後に落ちる地獄が描かれ、これほどの圧巻はあろうかと思う。盛 者必滅の理を記した部分である。死に挑んで残す言葉に「頼朝の首を墓前へ」と言うことは、清盛の人格が凝集されたところである。どのように表現するかが悩みであった。

演奏中に語り伝える事の重さ、一語一語明快に表現することの大切さを知らされた曲句であった。

(演奏後お客様からの聲)                                                                                        難解な言葉に理解に苦しむ。当時の人々はどれだけ理解できていたのか?大仏殿等で死んだ人々を想像して怖かった。


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