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演奏後記 平家琵琶定期演奏会(42)   秋山良造

2014-03-10 10:16:14 | 平家琵琶

平家琵琶定期演奏会 (3月9日) 平家物語探訪2-12(42) 秋山良造

曲句:巻十 内裏女房 ・ 巻十 千寿前

本日二句は重衡が、自分は捕れの身・南都焼亡した大罪の身。処遇はどの様になるか不安の日々の下での曲句である。

内裏女房:都落ちの折、重衡は挨拶出来ず別れた女房に、最後の逢瀬を願い叶った場面である。「あいみたてまつるべき」と交わす言葉、二人で交わす和歌の交感が、二人の状況を理解させるに充分な美しい部分である。私の演奏も此の和歌の心の内容を表現する事に集中した。

千寿前:鎌倉へ連行され頼朝と面謁。確たる言動が頼朝・大名達に「大器」と唸らせた場面。その後思わぬおもてなしをうけ管弦・詩歌の交わりで、千寿前と過ごす一夜である。此の句、千寿という女性の言葉は唯一「何事も思召す事あらば承って申せとこそ、頼朝殿は申しておりました。」 このあとは詩歌の交感で二人は心の状況を述べあい理解してゆく筋となっている。憎いほどの筋書きである。一期一会の夜、緊迫と愛情の交感の曲句である。旋律の振幅の深さは心の内面を表して美しい。没頭して只ゝ弾き語った。

素読:山本陽一氏の語りは、心の振幅を波打つようにゆったりとしたものであった。

終了後に、千寿前と重衡が奏でた雅楽「御常楽」のCD版を聴て、その夜のことなど、その後の二人の事などを話し合った。


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