妻と久し振りに近くのmovixさいたまに山田洋次監督の「小さいおうち」を見に行った。戦中の一市民の妻の不倫の映画だったので、山田洋次監督としてはちょっと異色だと思った。松たか子がすごく綺麗に撮されていて、山田洋次監督は女性も綺麗にとれると感心した。吉岡秀隆が不倫の相手役だったが、彼は不倫のイメージは合わない。他にいなかったのかと思う。この映画で良かったのは、松たか子と家政婦役の黒木華だ。黒木華はベルリン映画祭で主演女優賞を受賞したが、心に残る演技だった。
そんな事を思いながら、シネフロントに「小さいおうち」が特集されていたので、読んだら、この映画について山田洋次監督へのインタビューが出ていた。なんと不倫の妻は山田洋次監督の母上がモデルだった。どうりで綺麗にしてあるし、素敵なわけがわかった。
また、山田洋次監督の回顧のなかで、宇野重吉の話が載ってました。太平洋戦争が始まる1941年8月に、演劇活動も出来なくなり自殺しようと思っていた。鉄道に飛び込もうか、首をつろうかと思ったが死ぬ前に映画をみようとフランク・キャプラの「スミス都に行く」をみたら生きる勇気が湧いてきた。生きていればなにか良いことがあるかもしれないと思ったそうです。山田洋次監督に宇野重吉は映画というものは一人の若者の命を救う力を持っている。それが映画なんだ。山田くん自信を持って作れよと言ったそうです。
「スミス都へ行く」は私もみて感動したので、宇野重吉さんも感動したと聞いて嬉しかった。映画は素晴らしい。