【ヨコスカ解説】露が予備役30万人動員を発表
背景に見える「土俵際」のプーチン大統領、
次なる戦略は?
9月21日、プーチン大統領が国民向けの演説で、
有事の際に出兵する意思を示している「予備役」を招集する
『部分的動員令』に署名したと発表しました。
約30万人が動員されるとみられるこの決断の裏には、
ウクライナのハルキウ州奪還、死者数の増加、友好国からの批判など、
追い詰められたロシアの状況が…。
土俵際に立たされたプーチン大統領の次なる戦略は、
果たして“核”なのか!?
そのカギを握るのは??
徹底解説します。
(かんさい情報ネットten. 木曜・金曜は
「ヨコスカ目線 」2022年9月22日放送)
【ロシア】国外へ向かう人も相次ぎ…
航空便のチケット代も“高騰”
ロシアのプーチン大統領が、軍務経験のある市民の一部を動員する
大統領令に署名したことを受けて、抗議デモが起きています。
さらに、ロシアから国外に向かう人が相次ぎ、
ロシア発の航空便のチケット代が高騰しているということです。
◇ 「戦争反対! 戦争反対!」 ロシアの首都モスクワで21日、
戦争反対の声を上げる大勢の人たちをカメラが捉えました。
警察がデモ参加者を次々と拘束する様子も。
人々が声を上げる理由、それは――
プーチン大統領 「本日9月21日より、動員の施策を開始する」
21日、プーチン大統領はウクライナでの「軍事作戦」で、
一部の予備役を動員すると発表しました。
突然の「動員令」に、一部市民が激しく反発したのです。
「子供の命を守れ!」 デモ参加者 「子供の命を犠牲にしたくない」
――デモに意味はあると思うか
デモ参加者 「意味はないかもしれませんが、
意思表示するのは市民としての義務です! 戦争反対!」
デモは、首都以外でも行われていました。
ロシア・ノボシビルスクでは、解散を命じる警察に対し、
「プーチンのために死ぬつもりはない!」
と反論した市民が、あっという間に連行されました。
人権団体によると、抗議デモは39都市に広がり、
プーチン大統領の故郷サンクトペテルブルクでも行われました。
拘束された人は、約1300人に上っています。
◇ 一方、動員令の発表後、ロシアから国外に向かう人が相次いでいるといいます。
ロイター通信によると、ロシア発の航空便のチケット代は高騰し、
トルコなどに向かう航空便が売り切れるケースも出ています。
グーグルの検索トレンドでも「航空便」に関連したトピックは、
プーチン氏の演説開始直後から急上昇。現地時間21日午後11時まで上がり続けました。
◇ プーチン大統領の演説は、国際社会からも反発を招いています。
動員令とともに口にしたのは、「核兵器」という言葉でした。
プーチン大統領 「核兵器で私たちを脅迫しようとしている者は、
風が自分たちの方向に吹くかもしれないことを知らなければならない」
アメリカ・ニューヨークで開かれている国連総会で、
アメリカのバイデン大統領は21日、
「この戦争は、ウクライナが国家として存在する権利を消滅させるものだ。
きょう、再びプーチン大統領はあからさまな核の脅しをかけてきた」
と厳しい言葉で強く非難しました。
また、ウクライナのゼレンスキー大統領もビデオ演説で、
ロシアの戦争犯罪を裁くため、特別法廷を設置することを求めました。
ゼレンスキー大統領
「ウクライナに対して犯罪が行われた。我々はただ処罰を求める」
演説後には各国代表が一斉に立ち上がり、拍手を送りました。
ロシアの代表団は座ったままでした。
侵攻開始から間もなく7か月。
長期戦も辞さないプーチン大統領の姿勢をよそに、
ロシアの孤立は深まっています。
(2022年9月22日放送「news every.」より)