☆間違ったベクトルを突き進む

７月１０日に小型ポンプ消防操作方法審査会
略して操方（ソーホー）が終わりました
間違ってもニューヨークの新進ビジネスだったアレとは似ても似つかないモノだから安心して！

全国大会まであるのでこの時期ブログ内を検索すると全国で笑える秘話がみられるかも？

一言でいうと大人のマジな運動会ってなところ

指揮者、１番員、２番員、３番員の４名が審査対象でそれぞれの役割を俊敏にミス無くこなすことが要求される

指揮者の「火点は前方の標的、水流はポンプ右側後方防火水槽、手びろめによる二重巻きホース、一線延長、定位につけ！！！」の怒号を受け３番員が「よし！！」と言ったが最後、火点を４５秒以内で倒すことを目標に心臓が止まっても制止してはいけない
奇妙なロボットのようにカクカク動き出すのだが、基本動作が徹底して身に付いているためソレが良しとされる・・・人間らしい動きは一切排除される

実際、審査員から「操方始め！」と合図があってから物事を考えることは許されない
目から入った情報は人間の進化により脳幹ではなく、四肢へ直接伝わるため、通常の動きからは考えられないスピードで動くことになる
条件反射こそが全てだ
時々フリーズする人もいる
フリーズした人は安心していい・・血の通った人間だ

足が折れても気付いていない人がいるんではないかと疑うくらい壮絶だ

いかにその条件反射を身につけるか
方法は簡単だ
本番３週間前から生活の半分は操方に捧げればいいのだ
練習、反省会、寝る、仕事、練習、反省会、寝る、仕事

この反省会がくせ者だ
毎日、浴びるほど飲むし、喰う
費用は団員報酬でまかなわれるため団員報酬を見たコトがあるモノはいない

コレで脳幹を麻痺させるんだと思う



で、結果は２位
俺ら団員の中では最高の順位に位置づけられる
１位は８月７日にある上の大会のため消防署員からさらなる練習、指導を受ける

そんなことはまっぴらである

とにもかくにも異空間にいたような３週間が幕を閉じる

全国の消防団員の皆様、本当にご苦労さまでした
また、今後も我々の代表として技を競い合う消防団員の健康を切に願います

☆リセット

人の人生を考えたことがあるか？

今日仕事をしながらオットウの人生を考えてみた

オットウは結婚して家に入ったマスオさんだ
実家は車でここから４時間もかかる
６人兄弟の末で全てお下がりだったとよく話していた
家は俺が小学生の時に土間に牛がいたから・・かなり古い感じだった

決して裕福ではなく育ってきたことは分かっていた

高校は農業高校に行き園芸を得意としていた
婿に来て自分で園芸、花卉の生育事業を始めた
大きなガラス張りのハウスを借金でたて、夫婦で事業を開始した
今では花も贈答用でメジャーになったがなにせ３０年前のことなので流通経路も少なく見事に事業は頓挫した
その頃に俺が生まれた

オットウは地道に借金を返すなんてコトはしないで別の事業をはじめた
木工の加工工場だったが大きな家具屋さんの下請で事業は右肩上がりだった
正月に家具屋の社長宅に招かれるパーティーは子供心に豪華だったことを覚えている

俺が中学に上がると別の製材所を借りて新しい木工事業をはじめた
すぐ火事で工場が燃えた

家族全員取り調べを受けた

この頃から家具屋さんも下火になり下請の仕事も落ち着いてきた

仕事ばかりしているオットウとあまり話したことはない
ただ、反骨精神がオットウとそっくりだと言われることが誇らしげだった

高校１年で家を出て下宿生活になる

急に自分で決めたことなのに当然のように送り出してくれたオットウだった

下宿先でもめ事があってもでんと構えてたっけ

俺が東京に行って帰ってくるまで７年の空白があった

連れてきた嫁さんにやさしくしてくれた

ただ、俺が帰ってきてからは脳出血で倒れたり、木工所も閉鎖したり大変な１０年間だったと思う
生活を支えるために借金も多くある

趣味もなく
今、自由に使えるお金もない
友達も少ない
親戚づきあいもうまくない

そんなオットウに何がおもしろんだい？と聞きたくなる
宝くじでも当てて人生をひっくり返してやりたいとも思う

でもオットウはそんなこと眼中にないんだと思う

忙しい中、庭木を整えるオットウを見てたらそう思った
母ちゃんが手術前自宅に帰ってくる
恥ずかしい家は見せてられないと思っている

自分が立てた家
造った庭
残した孫達

オットウは十分なんだと思う

人生に浮き沈みはある
リセットしたいと最後まで考えていたら今までが無だ


庭木を整えるオットウを見て書きたかったことが書けたと思う