秋の晴天、蒸ノ湯温泉から出発です。
大谷地は草紅葉準備中?
台風の影響でしょうか、木道をふさぐようにオオシラビソが倒れていました。
湿原に根を下ろして大きくなりましたが、この間の風の強い日に力尽きしまったようです。
裏返った根は浅くて、よくこんな所に風雪に耐えて立っていたものだと思います。
大場谷地の湿原はエゾオヤマリンドウの青が草紅葉なりかけの湿原に映えていました。
この色を青とも紫とも言いますが、竜胆色(リンドウ)という色もあるのだそうです。
オオシラビソの球果がバラバラになって落ちていました。
もう実は完熟していたのでしょうか。誰かがすでにいただいてしまったようです。
長沼の手前、歩道わきの木にはこんな彫りこみがありました。
「25、6 シベリヤキカン(帰還)」と読めます。
どんな経緯かは知る由もありません.
どんな恰好をした、どんな方がこれを彫ったか想像が広がると思いませんか?
サラシナショウマも白が緑の中に映えていました。
そして、長沼。
静寂。
ネムロコウホネもヒツジグサも花が見えません。
ブシ谷地のタチギボウシの花はすでにありません。湿原のダケカンバは、根張りが弱いために地を這うような姿になるのでしょうか。
奥山の清流。
登山者ののどを潤してくれた水だと思います。
思わず目に留めてしまった、オオカメノキの三葉の二段重ね。
コメツガの球果二色。白っぽいのが今年のもの、褐色のものは昨年のものです。
いい感じに並んでいると思いませんか。
赤い実のヒメウスノキを見つけました。
赤い実の先端が臼のようにへこんでいるのでこの名がついたそうです。
こちらは完熟のクロウスゴ。実が黒いと目立たないような気がするのですが、この実を好物にしているヤツが見つけてくれると思います。
足元にはツルリンドウ。目立ちませんがしっかり咲いています。
花で見せてくれて、この赤い実でも見せてくれます。
大株に見えるエゾオヤマリンドウは豪華。ついつい見入ってしまいました。青いのと水色と濃いのは紫…
こちらは青の薄い白と言えそうなエゾオヤマリンドウ。
草ノ湯分岐からの八幡平。山頂がどこかわかりますか?
湿原に一株ハイマツがありました。吹きさらしの中、エゾオヤマリンドウはこれを風よけにしていると思います。
ハイマツのふところの深さという表現は聞いたことはありませんが、そんな気がしました。
チングルマの紅葉の始まり。
何度も見た湿原ですが、立ち止ってしまいます。
雲が出てきましたが、風で雲が動いて時折、陽がさします。
一杯に色のついた草原を陽が走るという光景を見たいものだと思います。
花もよし、紅葉もよし、紅葉のそのちょっと手前もよし。
当日の晴天を期待します。
あべ
長沼は、後生掛に長湯治していた時に親父のお供で釣りにいってましたっけ。
アカハラしか釣れませんでしたがね