八幡平の自然 ~アスピーテ日誌~

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9月10日 ふれあい登山(4)「旧ふけの湯街道を歩こう」開催しました

2016-09-15 18:01:21 | イベント

当日は22名の方にご参加いただきました。

 
女心と秋の空・・・
開会式中もサーっと雨が降ってきたりとなんだか怪しげな空模様。


が、バスでスタート地点まで移動するころには空が明るくなってきました。
準備運動!アキレス腱伸びてます!

 
いよいよ出発。タブレットで見ているものは・・・?

 
国立公園に制定される以前の八幡平の略図です。
昔は八幡平駅から歩いて登山に来たのだとか・・・!
今は山頂まで気軽に行けますが、当時の八幡平登山は1泊2日で登る大変な山だったそうです。


先日の台風の影響か、ミズナラのドングリが青いまま落ちているのを多く見かけました。
今年はブナの実は皆無と言っていいほどの不作の年だそうですが、ミズナラはどうでしょう・・・?


いよいよブナ林へ。
ここから先は、今は地図には載っていない道。
スタッフが2年がかりで調べて、歩いて、これがビンゴではないかと探し当てたルートです。


雨上がりにすっと立ったブナの二次林がきれい。

 
人間が使っていない道は、数年で道が分からないくらいに藪に覆われ、森へ還ります。
動物たちにとっては天国の森。
ルート上のウワミズザクラの木には、新しい爪痕や、果実を食べるために折られた枝が沢山・・・

 
こちらのウワミズザクラも枝が折られています。傍らにはクマのフンも。
折られた枝にはまだ実がたわわについていました。
次に食べに来るときのために敢えて折ったのでしょうか?


盛夏~晩夏の花、オクトリカブトがここではまだ見頃!


道中の湿原にはウメバチソウが。


今年はウワミズザクラが豊作のようです。遠目にもわかる秋の実りと、それを食べた痕。
あれ?仔グマの鳴き声が聞こえたような・・・?


すでに動物たちが自由に闊歩するようになっている旧登山道。
「お邪魔しました」とご挨拶して、ここからは既存の登山道へ入ります。 


ホオノキの葉、間近で見ると本当に大きい!


すでに来年の芽がスタンバイしています。

 
役目を終えた、キャラメル色のホオノキの葉。
と、パークボランティアさんが「前に食べた朴葉焼き美味しかったなあ~」と一言。
うっ、お腹がすく(笑)

 


今の時期のこのコースは、たくさんのキノコたちに目を奪われ、翻弄されるのがお約束。
ヌメリツバタケのぷるぷるつやつや感、お肌にほしい・・・!

 
森のおとしもの、ヤマブドウ。


休憩ポイント、給水施設に到着しました。
ここは麓の集落の水源地となっています。

 
トヤマシノブゴケでしょうか?雨上がりは水をたっぷり吸って、触るとふかふかです。
傍らにはまたまた森の落とし物、トチの実がちょこんと。


ハート型のジャゴケ発見!こするとオレンジの香り♪


急坂はないものの、ずっと登りが続くコースはじんわり疲れが来ます。
けれど参加者の皆さんは元気! 


登山再開後、ほどなくしてカラマツの林に出ました。
倒れていたカラマツの葉を触ってみると・・・

 
「あれ?マツの葉なのに、柔らかい!」

 
今度はトチの木。促されるままに触ってみると・・・


「わ、べたべた~!!」
トチの冬芽の表面はべたべたとしていて、外敵から身を守っています。
植物の知恵は本当に面白い。


ブナのトンネルの中を進みます。 


キノコを愛でつつ昼食ポイントへ。

 
いただきまーす

 
本日の「森の癒し弁当」は蒸ノ湯温泉さんのもの。
美味しくいただきました!


昼食ポイントの傍らには、オクトリカブト。 


すこし奥には、アケボノシュスランがひっそりと。


昼食後、登山道わきにある沼に行ってみました。

 
四合目にある沼なので、通称「よんご沼」。


秘密の沼で、記念撮影♪
さあ、後半戦です!

 
カネゴンの口みたい・・・

 
落ち葉を持ち上げるパワフルきのこ!


60年前に旧登山道を歩いたという参加者様。
「昔は標柱もなんもながったがら、迷わねように”鉈目(なため)”っていって、
木さ鉈で斜めに切り込み入れで歩いだんだ」と教えてくれました。
じゃあ、木の上のほうに鉈目の跡があるかもしれませんね、などど話していたら
木の幹に何かを見つけました。


「田代 平滝」の文字がくっきり。
いつのものかはわかりませんが、これも登山中の目印だったのでしょうか。
あるいは、現代のように写真やSNSなどで簡単に記録を残せない時代ですから
「ここに来たよ」という貴重な記録だったのかもしれません。
次に訪れたときに、「あったあった!」なんて盛り上がったのかもしれませんね。
この人たちも、今日の私たちと同じようにブナ林を見上げながら歩いたのかなあ、と
想像すると楽しくなります。


道中、大きなブナの木に出会いました。


幹回りは、女性2人が手を伸ばしても届かないくらい。4mくらいでしょうか?
国立公園になるずっと以前からここを通る人たちを見守っていたのでしょう。

  


かつて蒸ノ湯温泉までのジープ道として使われた、広々とした登山道を進みます。


オオカメノキって、いつまで新しい葉を出し続けるのでしょうか?
働き屋だな・・・。


あ、日が差してきた・・・と思って見上げると、


今朝の雨が嘘のような青空。

 

 

 

 
きのこ祭りのシメは、ツキヨタケでした(震)

 
大谷地到着!標高1000m地点はすっかり初秋の装いです。

 
エゾオヤマリンドウ 


すっかり赤くなったアキアカネ。これから麓を目指すのでしょうか?


全員無事にゴールの蒸ノ湯温泉到着です。登山の汗をさっぱりと流しました。

標高が上がるにつれて秋の気配がそこかしこに感じられ、
また動物たちの生きる営みや先人たちの歩いた面影も目の当たりにすることができました。
今回のコースの一部は、リラックス効果絶大の「森林セラピーロード」となっていて
気軽に歩くことができます。(クマ鈴などの携行を忘れずに・・・。)
歩きやすい気候になるこれからの季節、のんびりと歩いてみませんか?

(かさい)


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