松川温泉の駐車場は7時というのに登山者の車で一杯でした。
開会式を終えて、7時50分出発です。
皆さんにはいきなりの急坂、しかも階段で始まることをあらかじめお伝えしていますが、ここから登り始めます。
この登り口には「三ツ石避難小屋」までを結んでいる冬の指導標1番が設置されていました。
急坂はやっぱりきついです。どの方も足元しか見えていません。
急坂の途中、さりげなく自然解説風の休憩・・・
松川大橋からの分岐を過ぎて一安心と思ったのですが、ここでまた降りて、登って・・・
難儀しましたが、三ツ石避難小屋が見えてきました。
「三ツ石避難小屋」は紅葉目当ての登山者で大混雑。トイレの前には行列ができていました。
下見で確認した水場も水は枯れているとのことでした。
話には聞いていましたが、「三ツ石山」手前の急坂には、登山・下山者の渋滞さえもできていました。
あえぎながらもここに来て、「おー」と声が出る場面です。
山頂は登山者であふれていました。
一週間前の下見の時、紅葉は二割ほどと見ていましたが、見事な紅葉になっていました。
しばし景色に見とれ、写真を撮りまくっています。
寒暖の差が大きければもっと赤が強く出たりもするのでしょうか。
まるで、紅葉のパッチワークのようです。
「三ツ石山」から「小畚山」へ向かう登山者の姿が見えています。
多くの登山者はここから引き返すかもしれませんが、私たちは縦走するのでこれから紅葉の一色として同化します。
ちなみに、この先「小畚」から急坂を下って「大深岳」までの登り返しがあるので「自信のない方はここで引き返すかどうかの判断を・・・」とお聞きしましたが戻る方はいませんでした。
広大な紅葉の山の姿に感動しています。
「三ツ石山」を通過して、「三ツ沼」を経由、名無しのピーク「三ツ石覘標ノ台」に向かっています。
紅葉のパッチワーク。
何度も「三ツ石山」を振り返っています。
大分空腹を感じるころ、ようやく「小畚山」に到着。10分遅れです。
風が少しあり、遮蔽物のない山頂は寒くて、何か着ないと食事どころではないほどでした。
山頂に着いたころからガスが出てきて、山並みを隠そうとしています。私たちの来た道が稜線から少しずれた位置に見えていました。
ミネウスユキソウ
下る分だけ登り返しがあります。
そして「ジグザグ」が見えてきました。
長い登りのように見えますが、ほんの7回曲がれば「八瀬森分岐」。その先は「大深岳」、「源太ガ岳」まで続く快適な稜線です。
全く眺望の効かない「大深岳」山頂です。
ガスは出たり消えたり。振り返ると頑張ってきた「小畚山」、「三ツ石山覘標ノ台」、「三ツ石山」が、かろうじて見えます。
「あれを越えてきたんだなー」という満足感と、目の前に迫った「源太ガ岳」を越えるともう下るだけか、という少々残念な気持ちもあります。
紅葉の中を、その一色となって歩き通した自分をほめてあげたい、と思った方もいたと思います。
「なぜこんなに苦しい思いをしてまで登るの?」と聞かれ、「そうだね」と、それを肯定する自分がいたとしても、この頂上にいる今の表情が正直な気持ちを表しているのではないでしょうか。
「源太ガ岳」の山頂で初めて「岩手山」がその姿を見せてくれました。
少々疲れましたが、ほぼ予定通り、4時25分登り口の松川温泉に到着しました。
「アップダウンのきついコースではなかったですか?」とお聞きすると、
「きつくっても変化があって楽しめました。」という返答をいただきました。
ありがとうございました。
あべ