おどるなつこ 「あしおとがきこえる?」

タップダンサー・振付家おどるなつこの日常から浮かびあがることばを束縛せず書きとめています。2005年開設。

月で秋、日本人の生き方探求

2005-08-19 | あしもとからの思索
今日の月は綺麗です。こうこうと光っている。
満月前日でほぼ丸。魔力を持っているかのように輝いています。蝉に混ざってかすかに鈴虫も鳴きはじめている。ああ、ぽっかりと秋がやってきています。。夏の終わりって暑いのに寂しくてぽっかりしちゃいませんか?

夏、夕方に浴衣を着て夕涼み、しましたか?浴衣の着付けも奥が深いです。身体を整え、きちんと着ると風が通って涼しいの!立体の身体に平面の布。ひもときれをどう引っ張って、どう巻き付けるか、シンプルかつ深淵な世界。

アメリカンな高度成長期に育って日本人のルーツがあやふやな世代の一人として、日々のテーマは”日本人をさぐる!”
着物を着たいなら、自分で縫えなくちゃいかん!と思い、現在和裁修業中です。身体の隅々にまで気を配るそれはダンスと同様の身体の修練。美しい針目を重ねれば自ずと美しく仕上がる、ということがわかるのに半年もかかっちゃった。タップも同じだ。毎日気持ちのよい音を重ねていこう!!

自分の使う物は全部自分で作ってみる。自分で殺せないものはなるべく食べない。お金をなるべく使わないで生きる。
これを実践していると、自然界の中で偶然生かされている自分というのを感じられます。食べられる動植物をチェックしはじめたら、たべきれないほど~。
秋(あき)=”飽き”るほど食べ物がある季節 が語源だと読んだことがあります。
実際、山だけでもおやつぐらい手に入る。ふきのとうからはじまって、せり、よもぎ、桑の実、さくらんぼ、木いちご、あんず、梅、くり、かき、どんぐり、ぎんなん、冬は氷。海に行けば貝もあるし。収穫の喜び!
秋に周りの幸をおいしく食べられる状態に保つ努力をみんながすれば、もう少し暮らしやすいんじゃないのかな~。
コンクリート亜熱帯、冷蔵庫バス、深夜を照らす自動販売機とコンビニ、そんなもの達がなくっても。

東京生まれ東京育ちでも、人が造ったもので遊ぶのではない、自然が創ったもので戯れていた時代がある。
『ザクロって食べられるもの?』大人に確認した翌日、フェンスを乗り越えよその家のザクロを盗って初めて食べてみた時の落胆(すっぱくて種ばっかり)。。。赤く熟すのを待っていたグミが、鳥に全部食べられていた朝。。。がんばってジャンプしてやっととったのに渋柿だった、、、気を取り直し干し柿を作ってみたが、まちきれなくてまだ渋いうちに食べちゃった。あこがれだった『大草原の小さな家』で、たき火でヘビを焼くシーンをみて『なんだ、へびって食べられるんだ!』以来ヘビを持てるようになり、それだけで男子からも賞賛(引いてただけかも)のまなざし!
私はそんな幼少期をおくれましたが、今のアスファルトの街にはダンゴムシもいなくて子どもはいつ生き物と戯れるのだろう。

日本の四季を愉しみ、心豊かに生きていたかつての日本人から学べるものは多いです。

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