おどるなつこ 「あしおとがきこえる?」

タップダンサー・振付家おどるなつこの日常から浮かびあがることばを束縛せず書きとめています。2005年開設。

家の記憶

2018-03-14 | あしもとからの思索
今日は、2回の引っ越し時にも後生大事に一緒に持ってきた、鎌倉山崎の昭和文化住宅の建具を手放した。
葉山に桜花園という、古材や建具専門店がある。私が鎌倉市内で取り壊される洋館を見かけた時に連絡を取り、一緒にカウンターや階段を解体運搬するのをお手伝い下さったところである。



娘と私と猫3匹と、小学校入学前々日から中学生の夏休みまでを過ごした、広いお庭のボットン便所の平屋である。雨漏り修理を”きらくなたてものや”さんにお願いした後は、薪ストーブを設置したり、漆喰壁を塗ったり、弟のピアノを引き取って置いたり、本当に自由に暮らすことができた。
柿の木は娘や猫たちの友達だったし、家の前には桜並木の土手があり、隣人にも恵まれて、”みんなのにわ”と名付けたお庭はご近所に解放していたので、いつも子ども達が遊んでいた。
今思い出しても、しあわせを絵に描いたような暮らしだったなあ!

それでも、入居時からの大家さんによる建て壊し期限があり、私たちは泣く泣くそれを見守った。なぜなら、斜め前に引っ越したからだ。
この家の台所板は楠で、唯一確保できた板材として、それは今もタップ板として使用している。



古い建具は美しい。今は手に入らない、古材も。
細やかな木組みの装飾や、柔らかく光を通すガラスはめ込み障子。いやいや、障子が16枚ぐらいあって、猫はビリビリにするし、年末は二人で貼りまくって大変でした〜!



どれもこれも捨てるのが忍びなくて、ずっと運搬し続けていたけれど、桜花園さんにお預けして肩の荷がおりました。
次のおうちで、愛でてもらってください!

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