今週末は蜘蛛の巣城にて

今日は、今月唯一開催だった福祉施設のタップセッションでした。

私が関わるどこの施設も、活動規模を縮小し、検温して、消毒して、気をつけて、なるべくいつもどおりの日常をキープできるようにされています。外部の人の出入りを出来る限り減らしたり、その選択は福祉施設の形態によりさまざまですが、居場所とは、インターネットでは不可能な支援のひとつでしょう。その場所が、利用されている方にどのように機能しているのか、その意義に立った上での状況とのせめぎ合い、みなさま苦慮されていることと思います。

そんな中での今日のセッションでは嬉しいことがいくつもありました。
まずこの3月の卒業生で今春新入所の若者は「タップがあるから」とこの事業所を選ばれたのですが、今日のタップからもう炸裂していました！
もうひとつは先月「ナカダカーポ」で外部イベントに初出演を果たしたメンバーに、いっきに自信をつけた様子がみられ、さらに帰り際に「なつこさんのほかのタップにも参加したい。お母さんとも話した。」と！うわぁ、ひとつやり遂げたらまた世界か広がりますね！
他にも、全員で新たなjazzナンバー振付を進めているのですが、「やってみたい人！」と募ると、わらわらと席を立ち綺麗にラインに入りおどるメンバー、みな意外な一面をみせてくれて、とても楽しい！
年度末のため、各所で移動もあります。また会いましょうね！

タップはそもそも、発語なくとも細やかにコミュニケートしあえる、として福祉施設で楽しんでいただいた経緯もあり、もっとも喋る私がマスクをしていたら、あまりリスクは高くないです。

けれども、明日28日の町田クラスは休講とすることにしました。
理由としては、今週末の移動を誘わないため、です。このクラスはスタジオも広く環境的にも心配ありませんが、メンバー全員、電車やバスで通われています。欧州のこれまでの経過を追ってみたのですが、拡大してしまったら速いしひどい。あとから"この週末を我慢しておけばよかったのに"と後悔する事態を招かないように、私なりの小さな判断です。
かわりに、自習用動画をこっそりあげました。



こっそり、というのは、通常、私のクラスは参加のみで、見学はできないようにしています。ワークショップとクラスでは伝え方も方針も違い、おどるなつこクラスのオリジナルメソッドはクラスメンバーにしか伝えていないものだからです。
なんて偉そうなこと言って、思い立ってふと撮った動画ですのでボサボサしています(笑)。コロナ自粛期間限定でご利用ください！

おうちでタップ①基礎編
おうちでタップ②中級振付編

「蜘蛛の巣城」とはマクベスを元にした黒澤映画のタイトルですが、今のインターネット有意な情報網を表す言葉にも思えるのです。居場所だったり、芸術だったり、生で出会うことが"森を動かす"ようなことだとしたら、観念ばかりからまわりしがちな蜘蛛の巣城。

でも、今週末はよかったらおうちで蜘蛛の巣城しませんか。それぞれの家にいて、観念だけでもつながれる時代。もやもやしちゃったら上記タップの稽古もおすすめです(笑)裸足でキッチンでどうぞ！
居場所や対面支援が本当に必要な人たちの余地を残しておくためにも！


多文化共生センターあーすぷらざの居場所の開き方:必要な人のために