アラビア語に興味があります。

 イランはペルシア語の国です。トルコはトルコ語で、現代トルコ語はローマ字で表記されます。

ざくろにて 預言者ムハンマドの肖像

2004年10月04日 03時02分52秒 | イスラーム
 イランでは、こんなことをしてしまうんですね。話には聞いていても、やはり違和感があります、預言者ムハンマドの肖像画。先日、ざくろに行ったところ、壁にコーランを携えた預言者の肖像画が掲げられていました。お店のご主人が、キーホルダーに付いていた肖像画をコンピューターに取り込み、拡大してカラー印刷したとのこと。この写真は、一緒にお店に行った、高校の世界史の先生が、携帯電話のカメラで撮影し送ってくださったものです。
 アラブ世界ですと、預言者の肖像画なんて、偶像崇拝につながるということで、ありえないのですが、イランでは感覚がまったく異なるのですね。

 写真では見えませんが、預言者が抱えている緑の表紙には、ちゃんと横向きに قرآن (定冠詞が付いていなかった)と書かれているのです。この向きに抱えているなら、タイトルは下から上に書かれそうですけれどね。あら? でもこのムハンマド、コーランを左手(=トイレのときに使うので汚いとされている)で抱えてますよ!
 さらに、世界史の先生から鋭い指摘が。
「ムハンマドが活躍していたのは、タラス河畔の戦いの前ですよね。
 だとしたら、まだアラブ世界に紙が伝わっていないはずです」
紙がないのに、どうして紙に書かれきれいに製本されたコーランを手にできるのでしょうか。そもそも、コーランが結集されたのも、ムハンマドの死後の話。

 こういう矛盾を乗り越えてしまうのが、信仰心なんですね。遠藤周作が、「事実と真実は違う」と書いていたのを、ふと思い出しました。ムハンマドが製本されたコーランを抱えていたという「事実」はないが、信仰する者にとっては、十分「真実」なのだと思います。

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