小論講師の徒然草

大学受験予備校で小論文を教える者が日々思うところを徒然に…。

今年の受験の傾向

2010年02月04日 23時41分16秒 | 大学受験全般・勉強法・ガイダンス
…風邪ひきました(涙)受験生の皆さんはくれぐれも注意してください。

さて、例年この時期に書いていることを。今年は、今後の傾向も含めて。

報道されているように、今年は国公立大の志願者が増加。理由は、不景気だから。そのため、①地方ほど志願者増の傾向、②学費の優遇ある公立大が特に志願者増(国立大の全体倍率が4.3倍であるのに対して、公立大は6.4倍)。

ここまでは報道されている内容。ここから先は現場の感覚。

今年ほどセンター明けの志願変更が多い年を私は知りません。安全志向、地元志向(最初は首都圏の国公立・私大を志望していたが土壇場で通学圏内の大学に志望変更するパターンも多い)が強い。「上から流れてくる」という現象です。ですから、国公立大志望の皆さん、リサーチの結果を見て気を緩めてはいけません。今年は、2次勝負です。万全の対策を。

私大は、何と言っても早慶の志願者減少(慶應は確定し、ほぼ全学部で前年割れ)。地方から上京して一人暮らしをして私大へ、というのが厳しいのでしょう。ということは、早慶志願者の皆さん、今年はチャンスです。何年、いや、年十年に一度のチャンスです。絶対に今年、早慶を捕えなくてはいけません。

学部系統別では、やはりこういう時代に人気が出るのは看護をはじめとする医療系(資格モノは不況に強いのですね)、それから農・海洋なども人気なのだとか。文系では経済が人気。法は不人気。法曹増員計画にブレーキがかかっていること、要は、法学部に進学しても法曹までの道のりがやはり困難で、この不況の中ではそういう不確実な道は敬遠されるのでしょう。

……、実は、去年のこの時期にも同じことを書いたのですね。また、昨年2月~3月にかけてのプレ講座やガイダンスでも同じ話をしました。

要するに、09年の受験も上記と同じ傾向で、今年はそれにさらに拍車がかかった、というわけです。08年9月のリーマン・ショック以降の傾向です。

それも今年、あるいは、来年が「底」「分岐点」となります。理由は二つ。

①景気は緩やかに回復していくこと。というより、これ以上に急速な減退は考えにくいこと。保護者の心理として、去年や今年のように急激な国公立志向に傾くことは考えにくい。

②再来年のセンター試験の科目変更により、国公立大志願者の負担がさらに増えることになるから、国公立大が敬遠されて私大専願の受験生が増えると予想されること。理系でも地歴4単位科目必須のところが増えるとなると、さすがに国公立は狙いにくくなるでしょう。新登場の「倫政」は相当重いのではないかと。早慶上理は私大専願が今にも増して圧倒的に有利になります。国公立大をはずした場合のリスクを考えると、指導する側としても国公立大を勧めにくい、というのが本音です。

現役予備校講師が書くとなると、こんなところでしょうか。

さて、現代文のピンチヒッターで相当に仕事が圧迫され、ワタクシ、その処理に大わらわであります。仕事に戻りますー。

受験生の皆さん、もう少しです。ホントの本当、今こそラストスパートですよ!

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