【子規365日】■6月28日
用ゐざる抱籠(だきかご)邪魔な置処(おきどころ) 1900(M33)年
夏井いつき【子規365日】朝日文庫
いつの世も、写真のような竹婦人を抱っこし、美人を抱擁したいものです。
瀬戸内寂聴・齋藤愼爾「生と死の歳時記」知恵の森文庫 より 《抱擁》
《抱籠・竹婦人》の俳句
竹で編んだ1~1.5メートルほどの筒型の籠。抱きかかえて寝たり、もたれたりしてくつろぎ、涼をとる。
・竹婦人探せずに出る民具館 伊藤 白潮
・琉球や柱に凭(もた)せ竹婦人 斎藤 梅子
「合本 俳句歳時記第三版」角川書店
谷口 璽照さんのコメントです。
《男の背中 (谷口璽照)
男の背の淋し‥‥さすが寂聴はん。
フーテンの寅さんの台詞に「いい女が泣くと、笛の音に聞こえるんだなあ」。なるほど、そうかもしれません。「おばちゃんが泣くと、夜鳴き蕎麦屋のチャルメラに聞こえるんだなあ」(「男はつらいよ 寅次郎紙風船」より)、大変な違いですが。泣き方にもいろいろありまして、〽背なで泣いてる唐獅子牡丹、男の泣き方は声を出しません。それに男というものは、泣いても涙を拭きません。俺は泣いているんじゃないんだ、目に塵(ごみ)が入っただけなんだと、ただ目や鼻を拳骨でこする。
〽男なら 男なら
愚痴は言うまい 嘆いちゃならぬ
それで済まなけゃ 人形のように
顔で泣かずに 肝(はら)で泣け (男ならやってみな)
昔の男は、背や腹で泣いたものです。》
フーテンの寅さんの台詞に「いい女が泣くと、笛の音に聞こえるんだなあ」。なるほど、そうかもしれません。「おばちゃんが泣くと、夜鳴き蕎麦屋のチャルメラに聞こえるんだなあ」(「男はつらいよ 寅次郎紙風船」より)、大変な違いですが。泣き方にもいろいろありまして、〽背なで泣いてる唐獅子牡丹、男の泣き方は声を出しません。それに男というものは、泣いても涙を拭きません。俺は泣いているんじゃないんだ、目に塵(ごみ)が入っただけなんだと、ただ目や鼻を拳骨でこする。
〽男なら 男なら
愚痴は言うまい 嘆いちゃならぬ
それで済まなけゃ 人形のように
顔で泣かずに 肝(はら)で泣け (男ならやってみな)
昔の男は、背や腹で泣いたものです。