ガンバ大阪がJ1残留を果たした。勝てば自力残留が決まるアウェーの鹿島アントラーズ戦は0-0。終了から4分後、他会場の結果により生き残った。シュートわずか1本も、4戦連続無失点で切り抜けた。8月に就任した松田浩監督(62)が守備を再建し、12年以来2度目のJ2降格をギリギリで回避した。京都は0-0で磐田と引き分けて16位、J2との入れ替え戦に回る。C大阪は5位、神戸は13位だった。

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会場は静寂に包まれた。0-0で試合が終わり、G大阪の選手はユニホームのままピッチで他会場の結果を待った。タブレットで動画を見つめる。4分後、急に会場が大歓声に包まれた。みんなが抱き合い、DF昌子は涙を流した。鹿島サポーターからも温かい拍手が響く。自力での残留は逃した。残留を争った清水が敗れ、京都も引き分け。運はG大阪に味方した。

「西の横綱」と呼ばれたかつての姿はない。シュートは後半に宇佐美が放った1本だけ。それでも生き残った。右アキレス腱(けん)断裂から復帰後は2勝2分け。チームを引っ張ったエースは、こう言った。

「みっともない試合をすることが多かった。それでも声援を送り続けてくれたサポーターに、僕らが声援を送りたい。次、負けたら終わりの繰り返しで、苦しいミッション。今日だけは暴飲暴食をさせて下さい」

8月に片野坂前監督が解任となり引き継いだ松田監督が守備を再建。最後は4試合無失点で切り抜けた。

来季監督についてクラブ幹部は続投も選択肢に入れつつ「もう1度、作り上げたい」と新監督招聘(しょうへい)の含みも持たせた。ここから再建への道のりが始まる。

でした。

 

 谷口 幸璽さんのコメントです。

キックオフ (谷口幸璽)

 誰でも、石ころや空き缶を蹴っ飛ばしたことがあるだろう。学校では体育の時間で、球ころがし。それが今や、やれ勝った負けた、それ残留だ降格だと、一喜一憂。外国では熱中しすぎて、乱闘騒ぎで死者まで出る始末。サッカーを応援しに行って死んでしまっては、人生のオウンゴールや。人は、何に向ってシュートしなければならないの? 選手はゴールに、我々は個々それぞれの天職・天分にか? さ、改めてキックオフ。》