丸坊主にした

もともと髪は短くしているが、きのう、思い立って丸坊主にした。
なに、初めてではない。
私の通った中学では、男子は全員強制的に坊主頭だった…まあつまり、二十何年ぶりではあるのだけれど。

床屋へ行った。
丸坊主にしてください、と言ったら、「いいんですね」と訊かれた。
昨今は何枚、という言い方ではなく、ミリで指定するのだそうだ。
中学時代の「二枚刈り」はだいたい５ミリ相当ですと言うので、じゃあそれで、ということになった。

最初のバリカンは、中央の生え際から一気に頭頂へ進んだ。
鏡の中の私は、一瞬、だが確かに「電撃ネットワーク」の彼だった。
バリカンはその後もすいすいと動いて、私の髪はいつもの半分くらいの時間ですっかり刈られてしまった。
なんだか笑えてしようがなかった。

自転車で家に帰った。
不思議なことに、大々的に長さの変わった頭頂部ではなく、いつもと大して変わらないはずの「こめかみ」のあたりに、風を強く感じた。
たぶん、頭の空力特性が変わったのだ。

ヨメさんにとっては初めての坊主頭だったから、おおいにウケた。
刈りたての坊主頭の、あのベルベットの感触もまたウケた。

いっぽう私はというと、ふだんは今までと変わらない。
なにしろ、自分の頭というのは自分からは見えないのである。

で。

洗面所や風呂場で鏡を見ると、いまだに自分がびっくりしている。