SKYWAYのカバん
父と母が初めての外国旅行にいくとき
デパートで購入したカバン
もう30年になる
ほこりをかぶって押入れの奥にあった
粗大ごみに出す手続きをしたのだが
色合いといいその重厚さがすてるにしのびなく
修理ができるかデパートへ2つのカバンを持ちこんだ
今は扱っていないが、鍵の紛失のほうは鍵番号から
複製が可能、鍵の開口部の修理のほうも可能という
ことを調べてくださった
若い店員さんであったが大事に使うことはいいことですよね
などと言いながら物腰の柔らかな応対がとても好感がもてた
旅行の痕跡のついたシールが無造作にカバンを覆っていたが
ていねいにはがしてみた
ヨーロッパ、アメリカ、オオストラリア、ハワイ
長い苦労続きの後の日溜りのようなひとときを
喜々として旅たっていった父母のことが思い出された
古く色も褪せているのに、高価なカバン売り場の中にとけあって
渋い輝きを発していた
若いころの父母がそこに居るようだった