セカンド韓流2

映画:スウィング・キッズ

監督:カン・ヒョンチョル(2018年公開)

出演:ド・ギョンス、ジャレッド・グライムス、パク・ヘス、オ・ジョンセ、キム・ミノ

 

映画館で見た方がいいとの評判だったので、隣町まで行って(わが町では上映がなかった)見てきました。カン・ヒョンチョル監督はヒットメーカーだそうで、これまで『過速スキャンダル』830万人、『サニー 永遠の仲間たち』730万人、『タチャ 神の手』400万人と、どれもこれも興行的に大成功を収めている中、『スウィング・キッズ』の観客動員数は150万人弱で、思ったほど伸びなかったようです。前半と後半でガラリと雰囲気が変わるとの噂だったので、後半はグダグダになっちゃうのかしら…とちょっと心配しながら観賞しました。

前半、めっちゃおもしろいです! 笑えるし、楽しいし、こんなにおもしろいのに後半はグダっちゃうのかぁ…と思っていたら、後半になってもめっちゃおもしろい!! あれ?終盤グダるのかな??と思ったら、終盤になってもめっっっちゃおもしろい!!! 気付いたらエンドロールが流れていて、133分があっという間で、この映画控えめに言っても

サイのコーでしたよ!!!

終わった瞬間、立ち上がって拍手喝采しようかと思ったほどでした。

こんなにおもしろいのに、なんで韓国でヒットしなかったんだろう??? 私的には『サニー』よりも断然『スウィング・キッズ』の方が好きです。帰りの電車の中で、おもしろかったシーンを思い出してはニヤニヤしました。(マスク付けててよかった!)

※以下、若干ネタバレ含みます。

ネタバレせずに見た方がいいと多くの方が言っていますが、私はうっすら内容を知ったうえで見ました。でも、”うっすら”知っていたおかげで心の準備ができたというか、来る来る来る…と思って見たので衝撃が少し緩和されたと思います。もしも知らずに見ていたら、あまりの出来事に呆然として、2度と見れない映画になっていたかもしれないんですが、そうはならなくて本当によかった!私はこの映画を何度でも見たい!!

上映中、無意識のうちに足が動いてましたね(苦笑)ロ・ギスがステップを踏む度にコッチまで楽しくなっちゃって、動かさずにいられなくなる。それっくらいド・ギョンス演じる北朝鮮の兵士ロ・ギスが、生き生きとしていて楽しかった。

生存能力が高くたくましい女性ヤン・パンネを演じたパク・ヘスもめちゃよかった。そんなとこでステップ踏むの!?という超絶技巧を見せてくれたジャレッド・グライムス。存在自体がおもしろすぎたキム・ミノ。普通の人を情感たっぷりに演じてくれたオ・ジョンセ。戦争という極限状態の中で、生きる歓びを見つけ、本当の意味での生きることを渇望した面々でした。

”ファッ○ン・イデオロギー”という言葉が出てくるんですが、イデオロギー(政治思想・社会思想)がファッ○なのではなく、イデオロギーを利用して人々を分断し、権力や私腹を肥やそうとする一部のク○野郎どもがファッ○なのだと思います。実際、人々にとってイデオロギーなんてどうでもいいことで、彼らが何よりも大事にしていたのは、愛する人たちと自由でした。

終盤、直視できないシーンもありました。でも2度目以降はちゃんと見ることができると思うし、しっかり見直したい。DVD買っちゃおうかな?

 

【追記】

「スウィング・キッズ」が興行的に失敗したと言われている理由は、制作費150億ウォンの大作だったため、観客動員数が370万人に達して成功だと公開前に設定されていたようです。観客数が伸びなかった理由として検証記事がいくつか出ていて、年末公開で他の大作の中に埋もれてしまった、公開時期が違えば成功していたかもしれないという論調が多かったですね。2018年末の公開作品は「麻薬王」(ソン・ガンホ主演)「PMC:ザ・バンカー」(ハ・ジョンウ主演)と話題作が多かったようですが、実はこの2作品も失敗と言われています。

「麻薬王」186万人

「PMC:ザ・バンカー」166万人

「スウィング・キッズ」145万人

この数字を見ると、他の大作が「スウィング・キッズ」の邪魔をしたとは言い難い…やっぱり内容自体が韓国ではあまり受け入れられなかったと考えるべきかもしれないんですが、わたし的には超おもしろかったので、今後盛り返してくれるといいなぁと思っています。その昔「カリオストロの城」が公開時には話題にならなかったのに、のちに名作であることが判明したように。

 

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