はまなすの実

今日も頑張る皆さまへ

雲の上

2007-03-26 | つれづれなるままに
昨日は春らしく、霞に覆われて、町がすっぽりと雲の中に入ってしまった。
この、春先特有のすっきりしない空気を、昔は暗く湿ったツマラナイモノに感じていたけれど、今はこの静けさが心地よい。
これから訪れる夏に向けて、自然がジッとエネルギーを溜めているのだろう。


少し高台になった、「開陽台」に行った。
始めはその場所も一面真っ白な世界だったが、徐々に視界が広がり、気がつくと、眼下に広がるはずの、街や広大な牧草地はそこにはなく、私はその雲海に漂っていた。

霞がゆっくりと、それでいてあっと言う間に晴れていく様子は幻想的で、丁度日が沈む瞬間と重なって、まさに神秘的な光景だった。

あんな光景を見たのは、初めてだった。
あまりにも突然。あまりにも日常の中だったので。
少しの間、私は動けなくなってしまった。

美しい自然を目の当たりにすると、私の心臓はドキドキしてくる。
泣きたい気持ちと、嬉しい気持ちとが一緒に湧き上ってくる。
そしてなぜか、残念におもう。

人が創り出せないものだからなのか。
手に入れられないものだからなのか。
自分のちっぽけさを感じるからなのか。