すこぶる…日記 

室長のアートな日々

神戸レトロ散歩

2018-02-27 21:38:17 | 日記
 以前に、須磨海浜水族園で日本初の水族館といわれている和田岬水族館の建物模型を見たことを書きましたが、その水族館がかつて建っていた神戸の湊川神社を訪ねました。

 和田岬から湊川神社に移築した水族館は、「楠公さんの水族館」と呼ばれ明治35年に境内にオープン。そして、明治43年に閉館。その痕跡は見つかりませんでしたが、かつてここにインド風洋館造りの建物が建っていたんだと思いをはせました。

 そして、本殿にお参りすると、その天井に奉納された天井画がたくさんありました。その中に世界的版画家の棟方志功の作品4点を発見!私は、この版画家のファンなのでとてもうれしかったです。

 そして、この本殿の横に、かつて伊藤博文(日本初代総理大臣、初代兵庫県知事)の銅像(明治37年)が建っていたそうです。しかし日露戦争の講和条約の内容に不満を持った市民が暴徒化し、この像を引き倒してしまったそうです。

  その後、明治44年に大倉財閥の大倉喜八郎が別荘のある大倉山に伊藤の銅像を再建した。しかし、昭和17年に戦時の金属供出のために、この像も出されてしまった。どちらも戦争による受難ですよね。

 湊川神社に行った後、この大倉山に行きました。かつて伊藤博文の像が建っていた場所には、台座だけが残っていました。武田五一が設計したりっぱな石造り台座でした。

  この日は、この他に神戸地方裁判所、旧神戸市電気局有馬変電所、旧橘小学校レンガ塀などレトロ建築巡りをしました。

シンクロニシティ!

2018-02-20 21:51:13 | 日記
 先日、BSプレミアムで「熱海」(新日本風土記)を見ていたら、ジャズ喫茶「ゆしま」が紹介されていて、以前読んだマイク・モラスキー著「ジャズ喫茶論」(筑摩書房)にもこの店の事が載っていたのを思い出す。

 ー 2009年8月24日。熱海駅で降りるのは初めてだと思う。老舗のジャズ喫茶「ゆしま」が前から気になっていたが、 ー 中略 ー 店が古いだけでなく、開業当時から外装も内装もさほど変化していないそうだ。しかも明大前の「マイルス」と同様に、同じ女性店主が最初から今日に至るまでずっと店が立っているのできっと面白い話が聞ける予感がした。しかも、有名な温泉町の唯一のジャズ喫茶だけでなく、(元)赤線地帯の入り口に位置していると聞いていたので、なおさらであった。 ー    「ジャズ喫茶論」より

 番組では、その女性店主がインタビューを受けていたが、この番組は今回再放送(元は2016年3月18日放送)で、この放送の時、店主の土屋行子さんは95歳でした。と言う事は、今年97歳になる。これは、ジャズ喫茶喫茶の店主最年長記録でギネスものではないだろうか? 行きたくなりました!

 以前紹介した小沢信男著「ぼくの東京大全集」を読んでいるところですが、この本は、東京をテーマにした著者の小説、紀行文、エッセイ、評伝、書評、詩、俳句が載っている。中でも、少年・青年時代の話(戦前の出来事、戦争、空襲、焼け跡、家族、病気、初恋、学校、文学、詩など)が面白い!しかし、恐るべき記憶力である(レジ袋の前の紙の袋の時代のエピソードには記憶が蘇り感激しました!)。

 ちなみに、この作家の母校は、今、話題の銀座にある泰明小学校である。

 で、同時に読んでいる本が吉上恭太著「ときには積ん読の日々」(トマソン社)。読む前には知らなかったのですが、著者は小沢信男氏と親しくて、本の中で、何度も小沢氏の名前が出てきたのでびっくりしました。こんな偶然はうれしい!これってシンクロニシティ?

 この本も面白いです!また、小沢氏の著書も多数あるのでこれから読むのが楽しみです!

連休中の2,3の出来事

2018-02-13 21:54:16 | 日記
 休みに入って午前中に、ラジオ(FM COCOLO)を聴いていたら前衛ロックの奇才「フランク・ザッパ」の特集があった。こんなマニアックな特集は、めったにないのでうれしかった。この番組を聴いてフランク・ザッパがどれだけ凄い人だったのがわかった。中でも、来日して京都公演(ロックの聖地京大西部講堂)でのエピソードが飛び切り面白かった。

 フランク・ザッパは、マニアにとっては、凄い存在だが一般的には知名度が低くてチケットの売れ行きが思わしくなかった。で、主催者の木村英樹が考えたのが、ザッパの迎え火を焚こうと、京大生たちに懐中電灯をもたせあの大文字山に登らせそこでZ(ザッパ)の文字を点灯させた。それが、翌日の京都新聞に大きく取り上げられて話題になりチケットは完売したそうです(笑)。

 それから、この番組を聴いて知ったのですが、あの世界的に活躍するjazzピアニストの上原ひろみは、ザッパフリークだそうです。こんなマニアックな特集もっとやってもらいたいものです。

 その日の午後に近くの商店街に買い物に行った帰りに大型新古書店Bによったら、以前友人に借りてザックリ読んだ坪内祐三著「文庫本を狙え!」(晶文社)があったので、今回はじっくり読もうと購入しました。

 坪内氏がこの本で紹介している文庫本の中に私も読んだ事のあるお気に入りの本が多数紹介されていてうれしい!

 例えば、澁澤龍彦著「狐のだんぶくろ・私の少年時代」、武田百合子著「日日雑記」、都築響一著「TOKYO Style」、団鬼六著「真剣師 小池重明」、みうらじゅん著「アイデン&ティティ 24歳/27歳」、嵐山光三郎著「桃仙人 小説深沢七郎」、つげ義春著「無能の人・日の戯れ」、津野海太郎著「歩くひとりもの」、村松友視著「夢の始末書」、泉昌之著「かっこいいスキヤキ」、横尾忠則著「波乱へ!!横尾忠則自伝」、杉浦日向子著「YASUJI東京」などなど。

 この本で、全部で154冊紹介されているので、まだまだ読みたい本が増えそうです。

 そして、その翌日に原島広至著「神戸今昔散歩」に紹介されていた神戸最古の水族館(明治28年)和田岬水族館の模型が、須磨海浜水族園にあること知り見に行ってきました。この水族館は、その後、湊川神社境内に移転(楠公さんの水族館)したり、その後建物は、新開地に移築し帝国館として芝居小屋として使用された。しかし、空襲で焼失した。

 本の写真では、大きいものと思っていましたが、想像したより小さかったです。しかし明治時代にインド風洋館造りの立派な建物が建っていたことを思うと感慨深いものがありました。


見るべき映画!

2018-02-06 21:25:15 | 日記
 先日、時間が出来たので、新聞で紹介されていて気になっていたキャスリン・ビグロー監督の映画「デトロイト」を見てきました。

 その日、映画館までウォーキングしようと思っていたのですが寒くて風が強くて断念。電車で行き帰りしました。車中では、前回紹介した小沢信男著「ぼくの東京大全集」を読みました。面白い!

 さて映画ですが、1967年にアメリカのデトロイトで実際に起きた事件を題材にして制作したものです。その事件とは、デトロイトの街であることをきっかけに黒人たちが暴動を起こしそれが拡大し非常事態になる。そんな状況の中で、モーテルにいた黒人グループの一人がいたずらでおもちゃの銃(競技用のピストル)を警官隊に向けて撃つ。その発砲の音に過剰反応した警官隊や軍隊がそのモーテルを包囲し大変なことになる。

 そのモーテルにいた黒人の青年たちやいっしょにいた白人女性たちは、白人警官たちに執拗な尋問と暴行を受ける!それは、常規を超えた異常な事に発展し、黒人青年たちや白人女性たちは恐怖で蹂躙される。そして、何の罪もない黒人の青年3人が射殺される。

 その後、取り調べた警察官3人は、射殺や暴行をしたにも関わらず裁判では無罪になる。これには、映画を見ていて本当に驚かされると同時に恐怖を感じました。まさに、アメリカの病理をえぐった作品だなと思いました。現代のアメリカ(トランプ政権)の状況を見ると、今こそ見るべき映画だと思いました。

 この映画のキャスリン・ビグロー監督は、「ハート・ロッカー」(爆弾処理班の兵士たちを主人公にした映画・アカデミー賞作品)「ゼロ・ダーク・サーティ」(オサマ・ビンラディンを追跡するCIA女性分析官を主人公にした映画)など社会問題をテーマにした作品を撮っている。この監督の今後の作品にも注目をしたい。

 CGを使った派手なアクションを繰り広げるヒーローものの映画が人気を集めていますが、この様な社会問題をテーマにした映画も多くの人に見てもらいたいと思いました。