「大阪水曜ほっと集談会」公式ブログ

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弟とアンパンマン

2018年02月27日 22時43分49秒 | コラム 

 

たった一人の弟が51歳で亡くなって1ヶ月が過ぎた。

森田の感情の法則には、「感情はこれを自然に放任すれば消失する」とある。

悲しい気持ち、寂しい気持ちを無理になくしたり、意志の力で忘れようとすると辛い。

ただ、ただ、放任していると仕事や家事に集中しているときがある。

そしてまたふとした瞬間に弟のことが思い出され、寂しい気持ちになる。

その繰り返しである。

私が心からリスペクトしている、アニメ作家やなせたかし先生

ご存知の通りアンパンマンの生みの親である。

東日本大震災の時にラジオからながれる、アンパンマンマーチが、余震でおびえる子供たちの心に元気を与えたと報じられている。

 


やなせたかし先生も、戦争で弟さんを亡くされている。しかも20代の前半である。

弟さんのことは、先生の心の中に常にあり、アンパンマンというキャラクターに結晶した。

 


アンパンマンは特異なキャラクターである。

自分の顔を、おなかのすいて泣いている子供たちに分け与えるのである。

 以下やなせ先生の言葉より

「おなかがすいた人にパンを、自分が食べたいけどそれをあげる。これはだれにでもできることだけど、自分が、おなかがすいて死にそうなときに、果たしてそれができるか?自分が傷つくことなくして人を助けることはできない。」

 


戦争という極限状態で愛や正義を貫くことの厳しさを、やなせ先生は、本当にご存じだったのではないか。

時代は違うけれど、単身赴任の地で仕事のプレッシャーと戦いながら最後まで、家族や部下を守って逝った弟は、私の心の中の永遠のヒーローである。

私には弟がアンパンマンであったと思われてならない。


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