ささやかな就職応援記録

ありきたりなことを淡々と綴ります。誰かのささやかな参考になればと思い、書いてます。

話のやりとり(文章の作成)がとても苦手なのですが…

2021-01-24 09:43:11 | こういうときどうする?
本日は、話のやりとりや文章の作成が相当程度苦手な方だと感じている方に対するものです。目安としては、大学の先生や友達から「話(レポート)がよくわからない」と言われたり、話相手の反応が悪かったり、が複数回ある方です。

当記事では、前回に続き「大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動」(沢田健太著、2011)の内容を引用、検討します。


同書190、191頁では「知的障害を伴わない発達障害を指摘されそうな就職活動生たち」の支援について問題提起しています。

具体的には、①「紹介できる先がほとんどない」(同書191頁)ことへの対応、②「キャリアセンターに来ないまま、就職も進学もせずに卒業だけしていくケース」(同書191頁)への対応、③国のバックアップ、についての問題提起が読み取れると思います。

当記事では、2章構成とします。1章で同書問題提起に対する検討、2章で大学生の方へのアドバイス、と続けます。

1 問題提起に対する検討
①について。既存求人で紹介できる先がない場合にキャリアセンターが取れる対処法は、(1)紹介できる求人を開拓する、あるいは(2)企業が既存求人で要求する能力を身につけさせる、の2つの方法があると思います。
(1)が個別求人開拓、(2)がキャリア教育、職業能力開発と呼ばれるものに相当します。

(1)は、学生の同意を得て、学生の事情(こういうことは苦手だけど、こういうことは得意な学生がいるといった情報)を企業に伝えて当該学生に即した求人枠を作ってもらい、当該学生を当該求人枠に紹介する、といったものです。
本書に記載がある「企業にその学生の事情を説明し、採用を検討してもらえるとの返事をもらって学生に話をつなぎ、高校生と同じ条件で応募、内定取得できた事例」(本書191頁)は(1)の具体例に当たると思われます。

(2)は学生に既存求人で要求される能力が不足している場合に、当該能力を学生に身につけさせるといったものです。企業が営業力を求めるが当該学生に当該能力が不足している場合に、当該能力を身につけさせるといったものです。

②について。対処法は学生に周知することに尽きると思います。周知する内容は、大学の就職活動支援機関としてキャリアセンターがあること、キャリアセンターでは話のやりとりや文章の作成が苦手な人も支援していること、です。

③について。個別求人開拓やキャリアセンターの周知はともかくとして、キャリア教育や職業能力開発はキャリアセンターやキャリアセンター職員の努力だけで達成できるものではないと思います。
国や大学のバックアップが必要だというのはそのとおりだと思います。

2 大学生の方へのアドバイス
 発達障害だけに限らないと思いますが、障害をお持ちの学生の就職活動は互いの歩み寄りという面が強いと思います。
 学生は企業活動を理解する、企業は障害を含め学生のことを理解する、といった感じです。どちらも一朝一夕で理解が深まるものではないと思いますが。
 学生としては障害を含めた自己理解や企業理解を徐々に深めていく中で、自分に合った業務、企業を探していくといいと思います。

リストカットした過去があるのですが…

2021-01-17 21:26:00 | こういうときどうする?
大前提として、リストカットした過去があっても就職できると思います。リストカットした過去があれば就職できないと実証する研究は皆無だと思います。

当記事では、「大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動」(沢田健太著、2011)の内容を引用、検討します。



大学キャリアセンター職員である著者が大学キャリアセンターの事情、大学生の就職活動に切り込む本書。類著がことごとくスルーしていることに切り込んでおり、私は就職活動に役立つ本として以前紹介させていただきました。

ただ、著者の中で支援方法が確立していないと思われる部分があり、当記事は当該部分をフォローすることを一つの目的とする記事です。

当記事では、3章構成とします。1章で上記本該当部分の引用検討、2章で著者を含む大学キャリアセンター職員への提言、3章でリストカットした過去のある大学生の方へのアドバイス、と続けます。
長い記事になりますが、ご容赦ください。

1 リストカットの跡がある学生に対する対応の検討

本書178頁で、学生の手首にリストカットの跡を見つけた場合の具体的対応が記されている。
しかし、「こうした学生は満たされない承認欲求に突き動かされてキャリアセンターを訪れるため、生産的な相談の場にはなりづらい。ぎくしゃくとしたやりとりが、一時間、二時間と続くという事態も覚悟せねばならない」(同書179頁)と記し、現実を吐露している。

以下、私の考えを箇条書きにして記します。

①承認欲求自体は自然な感情。当然私にも承認欲求はある。
②キャリアセンター職員が学生を承認することも重要だと思う。著者も具体的対応として「しばらくは聞き役、うなずき役に徹する」(同書178頁)と記していることから、学生を承認することの必要性は認識しているものと思われる。
③「生産的な相談の場にはなりづらい」としているが、「生産的」のハードルを高く設定しすぎではないかと思う。就職に直結する相談、提案を「生産的」として目標とすると、相談者も相談を受ける職員も苦しくなると思う。
少しばかり前向きな行動変容といった達成できそうな目標を設定し、相談の場を少しでも明るいものとした方がいいと思う。
④やりとりが「ぎくしゃくとした」ものとなる理由は判然としないが、職員側の原因として疑われる事情が一つある。リストカットの跡に気づいたにもかかわらず、リストカット(自殺未遂)について相談の俎上にのせていないのでぎくしゃくするのではないかと思う。
職員は、自殺を考えている(かもしれない)人と自殺について語ることは望ましくないと無意識に考えているのかもしれない。
しかし、そうした考えは相当疑わしいと思う。「自殺対策を推進するために 映画製作者と舞台・映像関係者に知ってもらいたい基礎知識」(WHO 訳 自殺総合対策推進センター 2020)によると、そうした考えは「迷信」であり、「隠し立てせずに自殺について語り合うことは、自殺関連行動を助長するのではなく、その人に自殺以外の選択肢や考え直す時間を与えることができる。その結果、自殺の防止につながる」としている(基礎知識11頁)。

2 キャリアセンター職員への提言
 1を参考にキャリアセンターへの提言を考えると、以下の通り。

学生の手首にリストカットの跡を見つけた場合、しばらく聞き役に徹し信頼関係を構築した辺りで体調について気遣うことがいいと思う(「少し元気なさそうだけど体調大丈夫?」といった感じ。)
「大丈夫です。」という答えが返ってきたら、表面上気にせず相談を続けていいと思う。目標設定でハードルを上げすぎないことは必要だと思うが。
場合によっては、誰かに話したいと思っていてリストカットについて告白することもありうると思われる。その場合は、リストカットについても相談の俎上に乗せ、自殺以外の選択肢を考えるきっかけを作るといいと思う。

3 大学生へのアドバイス
 リストカットに至る事情は色々かと思いますが、就職活動に関するアドバイスは基本他の学生の方と一緒です。強いて他に挙げるとすれば自分の体調(メンタル面含む)を気遣うことです。仕事が難しいくらいの体調でしたら、無理して就職活動を継続するのは得策ではないと思います。体調を回復させてからというのが良いと思います。
後、先にも記しましたが承認欲求は自然な感情なので、承認してくれる人を探すことはいいことだと思います。そういった人に元気づけてもらいながら就職活動を無理のない範囲で続けることが就職につながると思っています。

OB・OG訪問を発端とする犯罪・ハラスメントについて

2021-01-17 14:13:51 | 大学卒業予定者の就職活動とは
昨今、OB・OG訪問を発端とする犯罪、ハラスメントが報道されています。
個別の事件については、捜査機関による捜査中の事件もあり、コメントを控えます。
就職活動中の学生にとっては、心配な事項と思います。

事件の背景事情として、指摘したいことは2点あります。

まず、一般に、採用過程において企業採用担当者が大学卒業予定者より優越的地位にあることです。
(力関係が拮抗ないし逆転するのは、大学卒業予定者が企業が必要としている特殊技能を有していて、しかも何かしらで実務経験も積んでいるといった例外的な場合に限られると思います。)
次に、大学卒業予定者の採用活動が自由度が高いということです。企業は採用活動を前倒したり、色々と仕掛けているというのが現状だと思います。結果、大学卒業予定者から見て採用活動なのか、採用に直結しない広報活動なのか、採用に直結しない社会貢献活動(インターンシップを想定)なのか、境界が曖昧になり、全て採用活動のように見えるようになっていると思います。

以上2点の事情からOB・OG訪問を発端とする採用担当者やOB・OGの犯罪・ハラスメントが起こった際、大学卒業予定者は抵抗・拒絶が難しいのだと思います。


そもそもOB・OG訪問のニーズ(大学卒業予定者がOB・OG訪問で得たいもの、行いたいこと)は①自己PRの一環として自己の適性や能力をアピールする、企業情報を収集するといった就職に直結するもの、②社会人のマナー、社会人の生活を知りたい、就職活動何から始めたらよいか社会人の先輩から聞きたい、エントリーシートを添削してほしいといった就職に直結しない自己啓発の色彩を帯びているもの、の二種があると思います。

こうしたことを踏まえると、被害の事前防衛策としては、①のニーズを満たすためのOB・OG訪問と②のニーズを満たすためのOB・OG訪問をきっちりと分ける。そして、①のニーズを満たすためのOB・OG訪問は就職希望企業が整備した制度に乗っかって行う、②のニーズを満たすためのOB・OG訪問は信頼のできる知り合いの先輩に限定するといった使い分けをするのがいいと思います。
①のニーズを満たすためのOB・OG訪問は企業の指揮・監督下のもとで参加することでリスクを低減させる、②のニーズを満たすためのOB・OG訪問は信頼関係でリスクを低減させるというものです。

②のニーズを満たすためのOB・OG訪問をしたいと思うが、信頼できる知り合いの先輩が近くにいない場合、キャリアセンターでの相談などで代用するといいと思います。①②に分けると②のニーズを満たすためのOB・OG訪問は必ずしもOB・OGに聞く、話す必要はないと考えられるからです。

計画的になるには…

2021-01-16 20:07:00 | 就職活動のおおざっぱな話
計画を立てて、実行し続けるのは難しいと個人的には思います。もちろん、得意な人はいると思いますが。

更新滞りましたすみません。
今年の抱負は計画的なブログ更新にしたいと思います。今月の抱負(テーマ)は「困難事例の対処」にしたいと思います。

ところで、就活でも計画性持ちたいなと思ってる人はいるんじゃないかと思います。計画を立てて、時間をうまく使い、希望の企業に就職したいなという感じです。

対処法としては、2つ。
①計画のハードルを低くする。
 計画のハードルを低くく設定し、小刻みに達成し続けるという方法です。短期間に達成できそうな目標を設定するのがポイントです(ここが難しいともいえますが)。
目標達成すると素直にうれしいですからね。次の目標達成のモチベーションにもなると思います。

②活動記録をつける。
 計画段階ではなく、活動した後の記録で目標(漠然とした計画)を達成していくという方法です。適切な目標設定に苦手感を持っている人にはオススメです。
 一日の活動を記録していくという感じです。一日の活動を日々振り返ることで、知らぬ間に計画的になり、知らぬ間に目標達成していくことを狙っています。
 副産物ですが、自分の適性、興味や関心を把握できるという利点もあると思います。

学部・学科選択理由の伝え方

2021-01-12 22:41:07 | 大学卒業予定者の就職活動とは
学部・学科をなんとなく選んだ、例えば親や先生の勧めに従って選んだ場合の対処法について。
具体的には、採用担当者から学部・学科選択理由を質問されたとき、どう回答したらよいか。

学部・学科をなんとなく選んだ場合、学部・学科選択理由に焦点を当てて回答すると、その後の面接の展開が苦しくなることが想定されます。
したがって、端的に回答して入学後の学び・学生生活に焦点を当てて回答するといいと思います。

例えば、「〇〇について学びたいと思い、親の勧めもあり選びました。入学後、〇〇について学べただけでなく、基本的な文章作成能力を養うことができました。例えば、〇〇学のレポート作成において…。」というふうに自己PRにつなげる感じです。

過去の学部・学科選択理由は、今の興味・関心と必ずしもイコールというわけではないので、端的に答えることで足りると考えます。

(補足)
一貫して、当該学部・学科での学びを強く希望していた場合は、学部・学科選択理由に焦点を当てて学びに対する熱意をPRするのもいいと思います。