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怠惰なひな菊

漫画家・萩原玲二(はぎわられいじ)の怠惰なブログ(2006~2019)

Casino Royale 1967

2017-06-11 14:05:17 | 映画
_Casino Royale_ FULL SOUNDTRACK ALBUM 1967 STEREO - YouTube



『007 カジノロワイヤル』〔1967〕のサントラは最高である。
『旧ルパン』(71~72年放送)にそのまま使える!(苦笑い)

『007 カジノロワイヤル』は筒井康隆作品に音楽もろとも、甚大な影響を与えた映画であり、『歌と饒舌の戦記』なんかは、そのまんまといえるのでないか(4半世紀読み返してないが…確信)。

『カジノロワイヤル』でのウディ・アレンの演技は、唯野教授の実写化というか、もう、その人といってよい(マルクス兄弟はちょっとおいといて)。

というようなことを、筒井先生に直接伺ったところ、「そういう詮索はよくない」と、たしなめられた思い出が今‥‥‥

それはともかく(滝汗)、『カジノロワイヤル』はハリウッドの大プロデューサー、チャールズ・K・フェルドマンがパニック状態でつくった作品であると、出演者のオーソン・ウェルズはボグダノヴィッチに語っていたし、実際そうとしかみえない発狂カルトムービーだし、監督が何人も雁首をそろえてるのがその証拠だし(雇ってはクビ)、一番格上といえ、出演もしているジョン・ヒューストンがどのくらい演出したのかしなかったのか、実に出鱈目なサイケデリック全盛期の傑作ではある(『ペパー』と同じく50周年!)。

↓の、小曲も最高!

Casino Royale Original Soundtrack - 11 The Venerable Sir James Bond - YouTube



Ost: Casino Royale & Original


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歌と饒舌の戦記


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文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)


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Monkey Business

2017-06-09 19:52:30 | 映画
MR.BATER - 傘屋編 - YouTube



往年のハリウッドの喜劇で、ここぞという盛り上がりに「インディアンの踊り」が挿入されるのは、昭和世代にはおなじみだし、なんといっても『ごっつ』の名作コント「MR BATER」でもおなじみである。

「MR BATER」の時点(90年代半ば)で、すでに古色蒼然のお約束ギャグだったわけだが、最初の具体的な原典というのは明確にあるのだろうか?

映画だとしたら、無声時代まで遡りそうだし、そもそもそのフィルムが現存するかもあやしい。

おれとしては、『007 カジノロワイヤル』〔1967〕のラストの上を下への大騒ぎの中、唐突に乱入してくるインディアンの踊りがまず連想され↓‥‥‥(この辺

Casino Royale - 1967 - Ending.avi - YouTube



そしてもちろんハワード・ホークスの『モンキー・ビジネス』〔1952〕。
『モンキー・ビジネス』は、ケーリー・グラント主演の回春剤をモチーフにした完全に気の狂った痛快喜劇で、そのシーンはこの辺である。

1952 Monkey Business - YouTube



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Cross of Iron

2017-06-01 20:18:58 | 映画



サム・ペキンパー『戦争のはらわた』リマスター上映 町山智浩「生涯最高作」 - 映画・映像ニュース _ CINRA.NET


「老」ということは、『戦争のはらわた』〔1977〕を観返しても泣く!という事態のことで、『戦争のはらわた』でもっとも有名だと思われるシュタイナー(ジェームス・コバーン)の台詞―――

「神は……サディストだが、それに気づいていない」

でも涙ぐむし(そのシーンが凄いというのもあるが)、その前の少年兵の捕虜を森に返しにいって惨いことになってしまうシーンのジェームス・コバーンの「はあう、はああうっ」のなんともいえない咆哮にも涙ぐむのだった。

もちろん、自分は『戦争のはらわた』は大好きだが、よく考えるとこの作品の本質は戦争に特化しているわけでなく、どこぞの大企業の僻地の支社の出世争いとかに置き換えても大した印象の差はないと思う。

そういう意味で、戦争映画としてはサミュエル・フラーの『最前線物語』〔1980〕の優位性は揺るがない。

しかし『戦争のはらわた』に戦争が関係なくなると、あの眩暈のするほど素晴らしいT34/85の襲撃シーンはなくなってしまうわけで、やはり「戦争映画」でよかった‥‥‥!

Cross of Iron Tank attack - YouTube



8月公開というリマスター版はぜひ観たいと思いつつも、小屋が新宿シネマカリテでは家でBD観たほうが充足するような気がしないでもない。(新宿シネマカリテはスクリーン小さすぎるので‥‥‥)


戦争のはらわた~Cross of Iron~ [DVD]


バンダイビジュアル

殺しの烙印

2017-02-22 15:33:36 | 映画
Branded To Kill – Koroshi no rakuin (Blu-ray Trailer, deutsch) - YouTube


映画監督の鈴木清順さん死去 「ツィゴイネルワイゼン」:朝日新聞デジタル

大往生とはいえ、訃報のつるべ打ちであるなあ。

やはり、『Tokyo Drifter』〔1966〕と『Branded To Kill』〔1967〕といわざるをえない。


東京流れ者 Tokyo Drifter (北米版)


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殺しの烙印 Branded to Kill (北米版)


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暴走機関車

2017-02-19 22:25:31 | 映画


あまり映画のシナリオを積極的に読む派ではなく―――それはやはり所詮「設計図」にすぎないという受け止めからなわけだが、現存しない「ロストフィルム」や、撮影にいたらなかった「幻の映画」のシナリオであれば、また別の話である。

そういえば未読だったなあ、の黒澤の『暴走機関車』(1966)のシナリオが収載されている『全集 黒澤明〈第5巻〉』を図書館で見つけ、借りた!のだった。

で、読むに、さすが、黒澤、菊島隆三、小国英雄の黄金トリオによる、非常にクールなエンタテインメントで、ようするに『天国と地獄』〔1963〕の特急こだまのシーンが全編にわたって!というシナリオで、なぜ撮影までこぎつけなかったのかと!

想像するに、おそらくキャメラは暴走する機関車から離れず、限定された空間と登場人物(3人)、そして機関車を停止させようと頑張るコントロールセンターとのカットバックのみで構成される映画になったろうと思われ、その夾雑物のないプロットに感じ入りまくった。
勉強になる!!!

ラストのキッチンでの夫婦のやりとりに、なんとなくヒッチコックの『フレンジー』〔1972〕の「ディナー」のシーンを連想。

史実が元になっているから、登場する機関車も実在のもののはずで、シナリオには、暴走する4重連のうち3両は「GP30型」、2両目に連結された流線型は「DFA・2型」とある。

ググってみると「GP30型」というのは↑にはったこれであろうか。
「DFA・2型」のほうはどんぴしゃなのがなく、このへんとか?

コンチャロフスキーの映画〔1985〕は公開時(86年)に試写で観て、当時コミックモーニングで紹介漫画をそういえば描いたな‥‥‥と思い出したりしたのだった(31年前!というのに眩暈を‥‥‥)。


全集 黒澤明〈第5巻〉用心棒 天国と地獄 赤ひげ の頃


岩波書店