台風接近の朝

９月最後の日曜日。
大型の台風１７号が接近しているという予報でした。
その日の朝は、穏やかでした。
まさに嵐の前の静けさです。

今年の彼岸花の開花は遅く、お彼岸が過ぎ、もう１０月を迎えようというのに、まだ満開になるまでには時間がかかりそうでした。

ここは、毎年彼岸花の赤いラインができる場所ですが、まだ赤いラインはぼんやりしています。

白の彼岸花は満開。


つぼみの彼岸花は、まるでアスパラガスのよう


土手の彼岸花もちらほら。
赤いじゅうたんになるのは、まだ先のようです。







のどかな散歩風景でしょう？




勘九郎は、私がリードを引いています。

このあたりは、大分咲いてきているようです。






気がついてみたら、コスモスの季節でもあったんですね。



コスモスと彼岸花






夏のなごりの青い朝顔


そして、ピンクと黄色のオシロイバナ




ピンクの芙蓉が上品に


最後に白いはな

最近は、道に落ちている棒を咥えて歩く事が多くなりました。
こうしていると、拾い食いしなくて、良いんです。

お昼ごろ、急に雲行きが怪しくなり、雨がぱらぱら。
そして、３時過ぎには、激しい雨になりました。
夕方の散歩は、空模様を見ながら、静かになった時を見計らって家を出ました。
主人は仕事だったので、私一人の散歩です。
勘九郎をリュックに入れて背負い、クマとはなを歩かせました。

家を出るとすぐに、市内放送がありました。
風で声が吹き飛ばされて、何を言っているのかわかりませんでした。
放送が終わった途端、不気味なサイレンが鳴りました。
相模川の増水を知らせるサイレンです。
はなは、それを聞いた途端立ち止まり、歩かなくなりました。
仕方なしに、はなを抱いて歩きました。

彼岸花の土手に出ると、突然風が強くなり、雨がザーッと降り出しました。
傘は今にもおちょこになりそうでした。
それなのにクマはのんびりと草むらに鼻を突っ込んでクンクンしています。
以前なら、土手で強風や強い雨に会うと、私の顔を見ながら、
「早く帰ろう！」
と、私を引っ張るくらいだったのに、今ではそういうことすら、わからなくなっているようです。
私は大きな声で
「クマ、のんびりしている場合じゃないよ！急ぐよ！」
と言って、クマを引っ張りました。
クマは、仕方なさそうに、のそのそと後を着いてきました。
クマは耳も遠くなり、危険察知能力も薄れてきているのかもしれません。

台風１７号は、高温と湿った空気を置きおみやげにして、関東地方を一気に駆け抜けて行きました。