息子のスーツ

息子が会社の行事でスーツを着て出かけなければならなくなりました。

息子の会社は、普段は、会社から支給された制服があります。
ポロシャツにジャンパー、ツータックパンツにスニーカーがワンセットで支給されているので、毎日、それを着て仕事に行きます。
なので、スーツを着ることなどなく、息子がスーツを着るのは、結婚式に招待された時くらいです。
最後に息子がスーツを着たのは、５～６年前の姪の結婚式の時です。
それ以来、スーツは着ていないと思います。

息子が今の部署に移ってからそろそろ２年になりますが、社内での功績が認められて、表彰されることになったそうです。
それで、その表彰式の時にスーツを着る必要があるとか。
「着られるかなぁ」
と言っていましたが、やはり着られなかったようです。

息子は数年前から急激に太りました。
いわゆる中年太りというヤツです。
お腹が特に出てきています。
かろうじて、ジャケットは着られますが、ズボンがどうしても入らない。
１０センチ近く届かないのではないかと思われました。
１０年くらい前までは、女物の服を普通に着られるくらい痩せていたのですが、ここ１０年くらいの内にずいぶん太りました。

たった数時間の表彰式のためにスーツを作るのはもったいないと言います。
それで、ズボンだけを買うことにしたようです。

スーツの端切れを持って、安売り店へ行きました。
しばらくして、私に電話をかけてきて「オレのウエストっていくつだっけ？」と言います。
「そんなの私にわかるわけないじゃない。」と私は、言いました。
小学校の子供じゃあるまいし、いい年をした息子のウエストのサイズなんて、全く把握していません。
「試着してみれば良いでしょう？」と言うと「それが面倒だからウエストのサイズを聞いたんだよ」とブツブツ言いながら息子は電話を切り、その後、似たような色柄のズボンを買ってきました。
生地も違うし、色も柄も違いますが、よーく見ないとわからないと思いました。
ネクタイも買ってきたらしく、自慢気に、
「ズボンが２９００円でネクタイは３００円だよ。言われなければわからないでしょう？」と言っていました。
確かに言われなければ、そんな安物には見えません。
最初に目が行くジャケットは、それなりのものなので、余計に見えないと思いました。

それで、無事に表彰式は済んだのですが、先日、会社の同僚の結婚式に招待されました。
やはり、その上下別々のスーツを着て式に出たのですが、さらに太ったらしく、上着のボタンもパンパンで、やっと閉まるくらいで、無理にボタンを留めて「苦しい」と言っていました。
でも、上着のボタンを留めないと飛び出たお腹が丸出しで、かなり格好が悪い。

何とか結婚式はそれで終えましたが、さすがに自分の体形を気にするようになりました。
当然だと思います。
普段は、ラフな格好をしているので、あまり目立ちませんが、きちんとしたスーツを着ると飛び出たお腹がはっきりわかります。
息子は背も小さいので、チビでデブでは、見てくれが良いはずはありません。
お腹と顔を何とかしなくちゃと言っていました。
確かにお腹だけでなく顔もかなりふっくらしています。

そして、突然、ダイエットをすると言い出して、三日間断食のようなものをしていましたが、そういうダイエットの仕方は身体を壊すので、私は反対しました。
すると、先日テレビで、エゴマ油が良いという番組があったそうです。
食膳にスプーン１杯のエゴマ油を飲むと、その後の食事は何を食べても良いということらしい。
そんなにうまくダイエットができるものなのか？と私は思っていますが、オレの口には合わないけれど、薬だと思って飲むしかないと言いながら、食事前にエゴマ油を飲んでいるようです。
運動すれば良いのにと思うのですが、なかなか運動をする気にはならないようです。

以前ほど痩せる必要なないけれど、今のままでは、健康にも良くないだろうと思います。