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わからないと言うことについて

2022年02月11日 | ネット生活

わからないと言うことについて、まだ考えている。
わからないという事実があり、それを表明することが、何故、思考放棄となるのか、さっぱりわからない。

小学校の頃だか、中学の頃だか忘れたのだけど、数学の授業で新しい概念が出て来て、みんなちょっとポカンとすることがあった。隣の席の子に、「今の、わかった?」と聞かれて、「わかった」と答えた。「すごい!教えて」と言われて、今、教わったことをそのまま繰り返した。
すると、「今、習ったこと、そのままじゃん。」と笑われた。

彼のおかげで、私はわかった。「『わかる』には、二段階あり、『① 教わったことに矛盾がなく、そのまま受け入れる段階』、『② 教わった内容を自分の知識のネットワークの中に埋め込み、他の知識と関連させて、使えるようになる段階』」ということが。

私も彼も①の段階で、彼は①にあることを「わからない」と言い、私は①にあることを「わかった」と言った。
②の段階に進むには、練習問題をする、特に従来の知識と新しい知識を使い分けて解かないといけない練習問題をこなすことでできるので、それはこれからやればいいと思った。それが考えるということだと。

論語で「学びて思わざれば、即ち暗し。思いて学ばざれば、即ち危し。」とあって、我が意を得たりと膝を叩いてしまった。

つまり、習ったことを使いこなすには、自分の知識ネットワークの中に位置付けて、必要な時に引っ張り出せるように訓練することが必要なのである。
そう思って取り組めば、算数ドリルも楽しかった。

大学に入るまでは、習うことが、自分の直感と無理なく結び付いていて、三角関数だろうが微積分だろうが、マスターすることができた。ところが大学で、ε-δ論法が出たあたりから、本気で「何言ってるか、ちょっとわかんない。」になり、複素関数論に至っては、「いくら積分しても特異点の回り以外は全部ゼロ」って、本当にこれ日本語?みたいに全く意味が取れなかった。

線形代数なら、自分の知識ネットワークの中に位置付けられたし、どこでどう使うのかも大体想像が付いたけど、解析学は苦手つーか、受け入れられないって感じだった。
量子力学もそう。波動なのに同時に粒子なんて、何言ってんだか、さっぱりですよ。

と、ここまでが「わかる」に二段階ある話。すると、「わからない」にも二段階あるのでは?と思った。
① 問いの内容を理解し、答えの見当もつくのだけど、もう少し調査・解析・検討が必要な「わからない」
② 問われていること自体がわからない、全く回答の見当がつかない、過去調査して解答に至らなかった「わからない」

多分、思考放棄だと怒られるのは①のわからないなんだろうけど、①の段階で手の内を晒すかどうかって、相手によるんじゃないかな。僕は謎は自分で解きたい人なんで、①でも②でも「わからない」と言って自分で調べるほうなんだけど、管理職なら①の段階で調査の方向性も含めて中間報告しろと言いますよね。それでも相手を見て、今の知識を公開するかどうか判断しますよ。全く自分の勘違いであることもよくありますから。

もしかして、私は「わからない」ことがすごく嫌なので、「わからない」ことは時間と余力があり、興味の続く限り調べ続けるのですが、世間では「わからない」と回答したら、それで終わりなのかということに今気がつきました。
そういや、みんな忘れた頃に「わかりました」ってそれから以降に調べた結果を報告して、「何の話だっけ?」って言われたこともよくあった気がする。

「銀翼のファム」劇中歌の「I’ve got Friends」


先週のチコちゃんで、「シャンプーとリンスの違いは?」という質問が出た。
回答者が「シャンプーは髪の毛を洗うためで、リンスは保湿とか‥」と答えると、チコちゃんが畳み掛けるように、
「なんで?なんで、そういう違いが出るの?」

絶句する回答者。
テレビの前の私が反射的に
「シャンプーは洗剤で、リンスは界面活性剤だから」
その発言に家内が
「界面活性剤って、洗剤のことじゃないの?」

私は「界面活性剤は表面張力をどうにかする薬剤で、洗剤は親水基と疎水基があって、油と結び付いた後、水と結び付いて流れるやつ。」
と答えた辺りで、チコちゃんが
「シャンプーはプラスの電気、リンスはマイナスの電気を持つから」と回答。

回答者と一緒に我が家でも、チコちゃんの回答が理解できずに目を白黒。
家内が「イオン?静電気?」
「きっと静電気だと思う」と私。
「静電気とイオンって、どう違うんだっけ?」
「イオンは水の中にしかない。だから静電気」と私。
「プラズマイオンクラスターは?」
「あれは似非科学」と私。

チコちゃんの番組で、くろちゃんの寸劇が始まり、とてもわかりやすい説明で納得。

この説明の中で、私が知らなかったことは、
・界面活性剤と洗剤は同じもの
・親水基と疎水基だけでは洗剤の機能として働かず、シャンプーが結び付いた油を洗い流すためには、髪の毛から離れるためにプラスの静電気が必要。
・逆にリンスも、親水基、疎水基があり、先に香りのいい油と結び付いた状態で容器に入っており、髪にマイナスの静電気で付いて、油を与え、水流で親水基部分が引っ張られ、洗い流される。

とても納得しましたが、逆に疑問点も。
・界面活性剤と洗剤は本当に全く同じものなのか?
・静電気に帯電することと、イオン化することは全く別の現象?
・そもそもイオンは水溶液の形でしか存在しないであっている?大気中にイオンがあるは似非科学?
すぐに家内と二人でネット検索。
すぐに回答を得ることができました。

実は見つけたサイトを列挙して、回答を解説するつもりで準備していたのですが、やめました。

皆さん、ご自分で検索してみて下さい。無料でこんなに簡単に知識を集めることができるなんて、素晴らしいネット社会ですね。
ネット上には正しい情報も誤った情報も流布しているので、複数サイトを回ってクロスチェックも忘れずに。

今回の内容は中学高校の化学の範囲内なので、サイトの正当性の確認もやりやすいですね。

と偉そうに言ってますが、チコちゃんの問題提起がなければ、リンスもシャンプーもほぼ同じ機能で、静電気の帯びやすさだけの違いだなんて知らなかったですよ。
チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃないよ!」って叱られても反論できないですね、私。特にリンスは界面活性剤って理解は、大雑把過ぎました。意味的にはそんなに間違えてないんだけど、荒すぎ!

ということで、次の曲。
岩崎宏美のカバーで「無縁坂」。


小学校高学年から中学校までの間、近所の子ですごく仲の良い子がいたんだけど、その子のうちには応接間があって、そこの本棚に百科事典が並んでいた。
百科事典を見せてもらいたくて、その子のうちによく遊びに行った。
玄関から入って、応接間に通され、ソファーに座って、紅茶とケーキを出してもらう。そして僕は、百科事典を捲らせてもらう。
我が家にないものばかりで、羨ましかった。

思い切って父に、「うちにも百科事典が欲しい。」と言ってみたら、
「あんなもんは、立派な玄関のあるうちを狙ってやってきたセールスマンが押し売りで無理に買わせるもんじゃ。うちなんか、そもそもセールスマンが来ない。」と威張られた。
うちは商売屋なので、友達が遊びに来ても、お店を通ってうちに入ってもらうしかなく、お店の奥のリビング(と呼ぶのは抵抗があるテレビとコタツが置いてある部屋)で遊ぶしかなかった。

自分の周辺は商売屋ばかりだったが、サラリーマンという仕事と生活スタイルに強く憧れた。

知的なライフスタイルとやらを目指すには形から入るのも重要と、今では心の底から思う。このブログも知ったかぶりの塊だが、ええ格好して喋ることが、知的資源を鍛えるのである。
商売屋とええ格好しいは合わないと思っていたが、思えば我が家は化粧品屋。虚飾の宴ではないか。

ということで次の曲。中森明菜の「無言坂」


ということで、百科事典に憧れた子供の頃を過ごした私にとって、このネット時代は素晴らし過ぎる。
いくらでも無料で知識が入手できるので、ネット引きこもりなんてやった日には、ボーっと生きている暇もないほど知識の洪水に埋もれて暮らせるのである。

ということで、早速記事リンク。


大学で計測工学の授業も受け、センサー実験で「サチる」体験もしているので、とてもよくわかる記事です。
第一波の時から、保健所の検査能力を超える状況が続いていて、二年間経っても改善しないのは何故でしょう?
そう言えば、こんな記事も。


この記事を読んで、皆さん、それじゃ仕方ないと納得しましたか?
誰かが、ワクチン対策チームを弱体化した結果ですよね?
そしてその責任追求にならないのが、不思議な記事。

先日、アナザーストーリーズで立花隆の「田中角栄研究」の記事を特集していましたが、あの記事に当初、政府もマスコミも全く反応していなかったそうです。海外特派員が、カンファレンスで質問して、当時の田中角栄首相がしどろもどろになって、それを見た海外マスコミがウォーターゲート並のスキャンダルと報じて、初めて日本が事の重大さに気付いた有様だったそうな。これは文春砲の始祖みたいな記事だったのですが、文春はこの金権スキャンダルをキチンと報道するために、ワザと抱き合わせで「越山会の女王」記事も掲載し、男女スキャンダルの調査をしているフリをして見せる念の入れよう。見せ球「越山会」も後世に残る名記事でした。

日本陸軍から連綿と続く、兵站と物流と数字に弱いこの伝統。「失敗の本質」でも触れていましたが、改善されませんね。安倍に至っては、報告で上がって来た数字をわざわざ修正して、事実から目を逸らす念の入れようですよ。

ハッ!また、熱くなってしまった。
研ナオコの「帰愁」お聴き下さい。


事実から目を背け続けて、「帰愁」ならぬコロナの奇襲を受けないようにね。

今日は何だか、中森明菜を聴きたい気持ち。もう一曲中森明菜で「I miss “the shock”」。何故だか繰り返し聴きたくなる名曲です。



最近、記事の中身がないのに、なぜか長くなって、書くのも時間がかかるのが悩みです。

もっとお気楽な記事を書きたいな。

とりあえず楽しい三連休を。
チャオ!☺️☺️😘😘👋
またね!



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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
押し売り (からく)
2022-02-11 13:45:07
「あんなもんは、立派な玄関のあるうちを狙ってやってきたセールスマンが押し売りで無理に買わせるもんじゃ」は思わず笑ってしまいました。失礼。
立派な玄関はともかく、サラリーマン(金融機関)になりたての頃、取引関連の業者が会社に学○の百科事典を売りにやって来ました。
金がないというとローンも組めますと・・・。
その業者を紹介してきた上司も結託して半ば強制的に買わされてしまいました。
本棚付きでうん十万もした百科事典。
結局、殆ど使わず、今では部屋の隅でひっそりと隠居生活を送っています。(^_^;)
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Unknown (グラーフリッター)
2022-02-11 17:41:02
ある意味「誰が上手いことを言えと」の世界
しかし百科事典に関しては、今はニコニコ大百科やピクシブ大百科、そしてウィキがありますからねぇ
とは言え、それでもそういうのを読んで理解できるか否か……それは別の話、と言う訳ですね これは納得
という言う意味じゃ、「ぼーっと生きてんじゃねぇよ!」はある意味正論……なんでしょうねぇ…… 多分
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「踊る大走査線」 (きのこ)
2022-02-11 18:53:12
私は映画の「踊る大走査線」で小泉今日子のサイコキラーに言われて、ヒロインの刑事が
「わかった・・・。こいつの言うとおり、頭をからっぽにして聞いてみたらわかった・・・。」と言って、
小泉今日子が
「そうだ。おまえたちが勝手に考えて訳をわからなくしているだけだ」
と笑う場面が印象深いです。
まだ見てなかったら面白いから見てくださいね。
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Unknown (h_tutiya)
2022-02-12 04:14:26
からくさん、いらっしゃい。
こちらの記事にもコメントいただき、ありがとうございます。

百科事典って、本当に押し売られていたものなのか、この記事を書いた後、ネットで調べていました。
からくさんの場合、お勤め先とも結託していて、非常に悪質ですね。
そして、昭和は本当に押し売りの多い時代だったみたいですね。ネットがなく、個人で被害表明も出来ないので、押し売り業者はやりたい放題。消費庁もなかったですしね。

しかし、そういう背景も価格も知らないで、友達のうちで無邪気に百科事典に大喜びしている私は、友人の両親にどう見えていたのでしょう?

ただ、その知識への憧れが、今の私に影響しているので、押し売りにもメリットあったのかもしれませんね。

ブログに書くことで、思わぬ景色が見えて、とても楽しいです。

ありがとうございます。
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Unknown (h_tutiya)
2022-02-12 04:50:53
グラーフリッターさん、ようこそいらっしゃいませ。

チコちゃんは本当に上手いこと言った者勝ちって感じがしますね。
たまに既に知っているネタも出るのですが、「そう言う?!」みたいな驚きがあって楽しいです。
「諸説あります」字幕の出現頻度が高いのも「チコちゃん」と「ブラタモリ」が突出している気がする。知識への扉としては、そこまで攻めたほうが楽しいよねと思って見ています。放送後にネットで文句を言う人が沢山出てくるのも、「チコちゃん」を見る楽しさの一つです。

百科事典はね、確かにそれだけだと理解しきれなくて、わかりきらないまま、他の知識へのフックとして、受け止めておく感じですね。
気になるなら、百科事典でキーワードを拾って、それをさらにネット検索して知識を広げていく感じで、納得するまで調べて置きます。フックの多さで言うと、wikipediaの記事が楽しいです。「これなんだっぺディア」とか、「すみっ子ぺディア」とか、もじりも多いですしね。

そう言えば、高校生の頃、英語の語彙を増やそうと英英辞典を買ってみたことがありましたが、わからない英単語を引くと、もっとわからない英単語がいっぱい書いてあって、早々に断念したことがあります。
これはもう経験値というか、基礎体力というか、そういうところを鍛えるしかなさそうですね。私も未知の分野がいっぱいあって、特に世界史と文学は、家内に日々鍛えられております。

そういう家内も「静電気とイオンって、どう違うの?」「これは、ゾル?ゲル?」などと、人が得意でない理系分野を鋭くついてきますが。

経験値稼ぎ重要なと言いながら、検索に励んでおります。

また、遊びに来て下さいね。
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Unknown (h_tutiya)
2022-02-12 04:59:04
きのこさん、ご紹介ありがとうございます。

小泉今日子、大好きですが、踊る大捜査線で、サイコパスで出ていたこと、知らなかったです。是非、見てみたい。

わからないことって、既成概念取り払ったら、実にシンプルでわかりやすいことだったってこと、きっとありますよね。

先日インサイダー取引のニュースを見て、他社に資金提供するって、株で資本を投入することしかないという思い込みがあり、その思い込みに気付くまで、随分うちの奥さんと議論してしまいました。やっとわかった。

自分が何をどう思い込んでいるかは、自分でわからないので難しいですね。

踊る大捜査線、探しておきます。

また、遊びに来て下さいね。
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Unknown (shoko870)
2022-02-14 23:19:09
こんばんは。
久しぶりに書き込みさせていただきます。

「今習ったこと、そのままじゃん」と言われて、
「はぁ?」
と思わず、「分かった」にも二段階あることが分かったっていうくだりが、
「むちゃ賢い少年やん!!」
と思いました~。

ちなみに、私は高校一年の物理で、「分かった分かった!」と思いながら授業を受け、中間テストでは、「はいはいはい」と分かったつもりで復習して蓋を開けてみたら、さっぱり問題が解けず8点という人生初の一桁を経験した時に、理解出来たと思う事と問題が解けるようになることは違うと知りました。(*^^*)

そんでもって、大学は経済学部で、微積とか高校でも解いてたはずなのに、全然内容が脳まで到達しないという事を初めて体験しビビりました。

高校や予備校、受験生向けの授業や参考書がいかに親切かって、しみじみ感じ、感じたのを思い出します~。
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Unknown (h_tutiya)
2022-02-20 06:29:14
ショコラさん、ようこそいらっしゃいませ。

ショコラさんのコメントで、試験勉強中は、「楽勝、楽勝。」思っていた分野が、試験問題見て、青ざめる、あの感覚思い出しました。
中高だけでなく、大学でも、自分の専門分野で2回くらいそういう目に遭ったことがあり、私の大学は全員の成績が掲示板に張り出されていたので、結果発表後に友人から、「自信満々だったのにどうした?」と声かけられました。

いや〜、悪夢ですね。試験は怖い。
特に大学は、問題集とかないんで、予想外の問題が出ることが多く、怖かったな。

まあ、赤点はね、理系の普通の学生さんは何度も取ってますよ。白黒はっきりするだけに、調子の悪い時期に不得意な分野の試験受けたら、普通に赤になります。
再試験受ける同級生もいっぱいいるので、失敗の許される分野っていいなと思いながら、高校大学と追試は受けまくっておりました。

やっぱり悔しいのは、自分はここは出来ると思っていたジャンルで失敗したこと。その失敗した2回はとてもよく覚えています。今でも悔しい(笑)。

また、面白い記事あったら、コメント下さいね。
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