よんたまな日々

サッカーとゲームと本とおいしい食べ物

「百年の誤読」岡野宏文・豊崎由美対談

2004年12月18日 | 読書
過去百年の毎年のベストセラーをピックアップして読み直し、それをネタに対談しようという企画。

何が面白いかって、小中高校の国語の教科書で、古典的名作として読まされる文章にも、本当に面白いものと、詰まんないのに褒めなきゃいけないものがあって、その辺がまー、常識として全部名作として取り扱われていることに対する反発というのが、ずっと僕の中にはあったのですが、それをずばずばと切り捨ててくれるあたり爽快でしたよん。
芥川とか、夏目漱石とかは結構面白いんだけど、森鴎外とか志賀直哉とかは、がんばって読んで辛かった思い出しかないんですが、その辺の自分のセンスが、割とこの対談している人達と一致して
いてちょっと安心しました。
辛くっても頑張って聞いていると、そのうちクラシック音楽みたくわかるようになるのかなと思って、学生だった頃の純真な僕は努力しましたとも。(本については欲張りだったともいえます。)

しかも、昔も今も、相変わらずお馬鹿プーな作品がベストセラーにたまに紛れ込んでいて、その辺は昔から人間ってあまり変わらないんだなーって安心感も抱けましたね。
逆に、現代でも、今後百年以上残りそうな名作が出る可能性は十分あるってことなんですよ。最近の文学賞受賞者の人は、あまり過去のしがらみを引き摺ってないので、それを心配している批評家江藤淳さんが何度も出てきますが。

ちなみに、中島敦は音読せよは、僕も賛成です。高校の頃、ちょっと声に出して読み始めたら止まらなくなって、最後まで音読し、感動した記憶があります。最近、教育テレビで講談師が日本語の先生やっている番組をたまに見かけますが、昔はこういう奇麗な日本語を街角で簡単に触れられたんですよねぇ。絶対、中島敦は講談師の影響を受けていると思いました。(って、それはこの本に対する感想じゃないけど)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿