よんたまな日々

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「ボーン・コレクター(上・下)」 J・ディーヴァー著 池田真紀子訳

2005年02月01日 | 読書
何の予備知識もなしに読み始めました。ここから、ネタバレありですので、ご注意ください。

いきなり、最初の殺害の場面から。
国連平和会議で人が集まるニューヨークの雑踏の中で、ビジネスマンの男女二人が連れ去られ、男性は、線路脇の荒地で生き埋め死体として発見される。そして、男性の薬指は肉が骨まで削られ、そこにもう一人の女性の指輪が飾られていた。
通報を受けて駆け付けたのは、明日から希望の警邏課に配属されるはずの婦人警官サックス。ただちに、現場保存のために、周辺の車道を封鎖し、線路を走る列車の通行も禁止した。この処置に、国連会議で混み合うNY市中からクレームが殺到し、サックスは、上司にあてこすられる。
一方、かつては天才的な鑑識で名を馳せたが、鑑識活動中の事故で首から下が麻痺し、最新の医療機器で、辛うじて延命しているリンカーン・ライム。この事件のアドバイザーを依頼され、自分の手足として現場での鑑識活動を一任したのが、初動捜査で見事に現場保存を行い、貴重な証拠を確保したと評価されたサックスであった。
犯人は、鑑識に対しての専門的な知識を持ち、自分に関わる証拠は全て消しながらも、あえて現場に遺留品を残し、その遺留品で次の殺害現場や方法を予告するという大胆な行動をとる。
ライムの強引な処置に不満を覚えながらも、次々と起こる連続殺人の現場で、限定的な証拠から、犯人のメッセージと、犯人すら想定し切れなかった物証を集めて犯人に近づいていくライムの腕前に、サックスは徐々に信頼感を育くむ。
4つの事件から、犯人のプロファイリングと、住居、アジトをほぼ突き止めたライムであったが、真犯人は意外なところに....

まだもうちょっと容疑者がリストアップされるだろうと思っていた段階で、「名探偵のさて」という場面になってしまいました。犯人がこんな身近なところにいたとは、完全に予想を外されました。また、「犯人がなぜ毎回次回の殺人を予告するのか。」という疑問を感じなかったのは、おそらく僕が変にミステリー慣れしてしまった弊害ですね。そして、動機まで、こんなに見事に説明されてしまっては....。
しかも、辛うじて生き残った被害者の目的がああとは....

というわけで、今回も推理小説作家にしゃっぽを脱いだよんでした。

ちなみに、真犯人のボーンコレクターが、19世紀のアメリカに生きていた過去の人がリアルに見えてしまうというのは、超能力モノで過去視と呼ばれているものであり、パット・マーフィーの「落ちゆく女」でも使われています。そういうものがあることは知っていましたが、こういう使われ方は、ちょっと感慨深く、何か僕の琴線に触れるものがあります。ある種の精神病の兆候とか、そういうのかな。

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2 コメント

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Unknown (関口(仮))
2005-02-11 09:01:17
おはようございます~ 関口(仮)です、毎度ん!

TBありがとうございます。



あ、「ボーン」のこと、うちのほうに書いちゃった……



ってことで(<一体どうゆうこと??)、今日は床屋いって、BookOffにつじあや探してきます~^^
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関口さん、どもども (h_tutiya)
2005-02-12 07:35:25
h_tutiya でございます。

昨日は、寒風吹きすさぶ中の思わぬ彷徨、お疲れ様でした。風邪など引かれてないですか?

ディーヴァーは、全部読まれたとのこと、またまた僕が周回遅れになっていますね、うちの奥さんもディーヴァーを再読しているので、大急ぎで「コフィン・ダンサー」を買いに行ってきます。いや、僕は、読むの遅いほうで、ようやく「航路」の序盤攻略中なのですが。



あ、そうそう、ブックマークの「よんのはてなアンテナ」も見てください。関口さんのページ登録しましたので。

また、コメントにうかがいます。

ではでは。
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