まずは、福島第一原発の非常に厳しい環境下での作業されている方々には敬意を表したい。
何とか大惨事にならないようにしてほしい。
さて、これを機に素人だが放射能/放射線について、いろいろと考えてみた。
<放射線量>
放射線は、宇宙・大地・食品などから受けている。
1年間の放射線量は1年間に浴びる世界平均は放射線量は2.4mSv/年となる。
(ブラジルの一部の地区では10mSvだが、健康被害が出ているとの報告はないとのこと)
これに対して、国際的な勧告の公衆制限値は1mSvとのこと。
日本の平均は0.99mSv/年だそうだ。
(国内でも差があり一番高いのは岐阜県1.19mSvで、一番引くのが神奈川県0.81mSv)
上記の年間放射線量を1時間あたりすると、以下の通り。
・世界平均:0.000274mSv/h=0.274μSv/h=274nSv/h=274nSv/時間
・日本平均:0.000114mSv/h=0.114μSv/h=114nSv/h=114nSv/時間
ここ2日間、川崎や横須賀のモニタリングポストの値で、
最大で200nSvを超えたが、見た目では平均して80nSv程度なので、
日本の平均から考えるとまだ許容範囲内であると思われる。
なお、この数値は屋外での話であって、屋内ではもう少し低いとは思われる。
ただ、原発事故以前は20nSv程度の推移であったので、少なからず影響を受けているのは確かであろう。
ちなみに、私は素人なので真偽は不確かだが、今日の毎日新聞のホームページに掲載された、
文部科学省の記事が裏付けになるのではないか、と考えている。
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110316k0000e040048000c.html
「一般の人の年間被ばく限度の2233~2890倍に当たる1時間当たり255~330マイクロシーベルト」とある。
この数字を注目してほしい。
・255μSv÷2233=0.114nSv=114nSv
・330μSv÷2890=0.114nSv=114nSv
文部科学省は1時間当たり114nSvがある意味制限値と言っていると、解釈していいだろう。
ただし、この114μSvが1年間続くと1mSv/年になるわけで、これは変動するものなので、
一瞬超えたからと言って過剰に反応することは必要ないと思う。
ちなみにこのSv(シーベルト)数値の比較で、「東京-ニューヨーク間を飛行機で往復すると、
200μSvの放射線量になる。」という数値が引き合いに出される。
これと比較して、横須賀で記録した200nSv/hは大したことないと、
行政のページやマスコミが言っているが、単位時間が本当にあっているのか、疑問である。
そんなことはないと思うが、200μSvが総飛行時間の積算量だったとすると、単位時間が異なっている。
飛行機に乗っている時間をトータルで24時間とすると、1時間当たり約8μSv/h受けることになる。
先ほどもとある局が、大きなフリップで、年間の線量や、CT、飛行機の件など、1つの軸上に並べ、それを引き合いに出して、
「問題ない」と言っていたが、あのフリップをベースに「問題ない」とする疑問である。
専門家ではないので確かめようがないのだが、時間単位は揃えて議論すべきだ。
<健康への影響について>
放射線と健康への影響について、確定的なものは100mSv以上だそうだ。
これがマスコミがよく使う「直ちに健康被害」が出るパターンである。
なお低放射線量の健康への影響については、「しきい値なしの線形モデル」というものがある。
要するに、1mSv以下であれば何も起きないかというと、そういうわけではなく、
リスクは浴びた線量に応じるということのようだ。
ただし、タバコなどによる発がんリスクに対して低いという意見もある。
従って、放射線は浴びないことに越したことはない。
ただ、現状20μSvが80μSvだからと言って、発がんリスクなどが4倍に増えるわけではないはずで、
かつタバコ・アルコールなど放射線以外の発がん要因も多くある現代社会で、
そして今の地震・原発事故という事態を考えるとそれ以上に国民全体が憂慮すべき事態があるので、
過剰に反応することは避けたほうがいいと思われる。
<放射能と放射線>
放射能と放射線は別だそうだ。中部電力の解説がホタルに例えていて分かり易い。
http://www.chuden.co.jp/energy/nuclear/nuc_hosha/nuch_chigai/index.html?cid=ul_me
・放射線は放出されるエネルギー:ホタルの光
→ホタルの光が虫かごの外に出ること:放射線漏れ
・放射能:放射線を出す能力
・放射性物質:放射線を出す物:ホタル自身
→ホタル自身が虫かごから逃げること:放射能漏れ
<単位:Gy・Sv>
放射能の単位はいろいろあるが、主に使用されているのは以下の2つである。
グレイ(Gy)・・・放射線が物質にあたったとき、その物質に吸収され放射線量を表す単位
シーベルト(Sv)・・・生物が放射線を受けたとき、その影響を表す単位
モニタリングポストによっては、単位がGyの場合と、Svの場合がある。
なお、通常時は1Gy=0.8Svで計算されるが、緊急時は1Gy=1Svで換算するそうだ。
従って、上記はすべて1Gy=1Svで計算している。