先日の朝食時。
朝刊の折り込みチラシを眺めていた妻。
「ねえねえ、あのスーパー、今日から肉と魚ぜんぶ2割引きですって!」
食事中の私、妻の話に関心なし、つい・・
「いつもの手だよ、のせられないほうがいいぜ」
・・
(とたんに、妻の顔がきっとなって・・しまったと思ったが遅し)
その後3日間、口をきいてくれませんでした。
後悔しました。合気道の稽古的にもね。
あれです・・「接触」。
熟年合気道のみなさん、「接点」のつながりの重要さを
いやというほどご承知かと思います。
相手の中心にこちらの半身を合わせ、つながりを合気に保ちつつ、
接触を変化させ、肩を崩す・・・それが基本のはずです。
同様に、本舞台であるはずの日常生活では、
自分に投げかけられた言葉がまさに「接点」。
あの朝、
「2割引きですって!」とかけられた言葉が接点でした。
「いつもの手だよ」では、接点をぐいっとやって、加速をつけて
妻の気持ちを力でねじ伏せたようなもの。
反省しきり。
「2割引きですって!」
「ふ~ん、じゃ、とりあえず見てみたらいいんじゃない」
くらいが、つながりを壊さない合気の道でしたね。
最近売れているという本「妻のトリセツ」を、こそっと読みました。
男の脳と女の脳の決定的相違は、
目の前で生じた事態を反射的に分析し、解決策を講じる「問題解決型」の男脳。
女性の方は、事態への対処よりも、一緒に共感する「共感型の脳」なんだそう。
その辺はおいておいて、
強敵である女性に対するときは、共感する(ふりでもいい)ことばが、
合気の接触なんだというのが、おぼろげに呑み込めます。
なわけで、
「共感ことば」が合気的接触なのだということを、肝に銘じた次第。
よくありますよね、女性のグチ。
それに対処する最適な共感ことばは、「・・そう、大変だったね」
だそうです。
なるほど。
ゆめゆめ、(・・えっ?それって君の方がわるいよ)とか、
(そんなグチったってしょうがないだろ)
・・なんて”力任せ”ことばは、もろにアウト!
接点が完全に壊れますから、はい。
(共感ことば「サ・シ・ス・セ・ソ」)
なる虎の巻があるそうです。
女性だけでなく、部下や同僚にも通じるそうですから、
覚えて損はなさそうです。
サ・・「さすがだね!」
シ・・「信じられない!」
ス・・「すごいね!」
セ・・「センスいいね!」
ソ・・「そうなんだ!」
まるで、昔の幇間(太鼓持ち)みたいですが、
ミソは、実際はそう思わなくても、言葉だけでも、接触をつなげる効果が
あるんだそう。ふ~ん。
そんな心にもないこと、しゃべれるか、という熟年諸氏も多いでしょうが、
その場合、ふんふんと、わかったような相槌を返すだけでもいいようですよ。
そして、笑顔。
むっとした顔をするのは、とられた手の筋肉がピクピクするのと同じ。
準備動作が伝わってしまい、却って相手の抵抗を強めてしまいますね。
笑顔以上に効果的なのが・・相手をほめること!
(できないよな~)
いずれにせよ、
妻や女性を敵に回して得なことは何もありません。
それもこれも、合気道の稽古だと思い、精進することにしましょう。
そのうち、
ことばの接触を起点に、一教二教三教・・きめ技、投げ技まで工夫しますか。
(もちろん、直に手を握る・・っていうのも効果あるそうですが)
たわいないようで、
合気道の術理はコミュニケーション全般に通底するんですね。
やればやるほど、奥が深い世界です。
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