新・合気道楽心館で熟年バンザイ!

中野体育館道場は中高年シャンゼリゼ、合気道で熱い!
合気道は道場だけじゃない、日々是修行

48  稽古の仕方が悪い・・って?

2018-09-30 | 日記


(電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みんなわたしのせいなのよ)
子供時代、そんな文句が流行ったのを覚えています。
それに、こんな歌もありましたっけ。
♪誰のせいでもありゃしない/みんなオイラが悪いのさ

合気道で、
最近よく、こう自分に言い聞かせるようになりました。

/仕事がうまくいなかったら、稽古の仕方が悪いのさ。
/家族関係が思うに任せなかったら、稽古の仕方が間違っている。
/酒の二日酔いが続き仕事に影響が出たら、稽古の仕方が違っている。
/ストレスが溜まってイライラしたら
/自動車をぶつけてしまったら
/恋人にふられてしまったら
/会社の経営が思わしくいかなかったら・・
みんな、稽古の仕方が悪いのよ。

合気道の稽古はいわば、実験室。
養われた力を発揮する舞台は、仕事や日常の人間関係など、暮らし。
つまり、生き方全般が射程です。

「正面打ち一教肘抑え」で、たとえ相手が筋肉隆々の大男でも、
スムーズに技が掛からなくなったら・・・
気剣体一致の受けに問題があるのか、
接点で争ってしまったのか、入り身が不足しているのか、
それとも、
相手の肩や顎への三角形のイメージが疎かになったからか、
下半身のゆるみや、体軸に問題があるのか・・
考え得るポイントをチェックし、修正していくほかありません。
修正しつつ、同じ誤りを起こさないため、術理の上で何が欠落していた
のかを見極め、他の技でも「課題」としてフィードバックし、
書き換えしなければなりません。
・・ですよね。

いってみれば「科学の実験」と同じです。
何を実験するのか、
自分なりの課題を設定して稽古に臨むのと、なんとなく漫然と臨むのとでは
大きな差があります。
手順と仮説と検証、書き換え・・

稽古も、初心者はまず技の形を覚えることに終始するものですが、
黒帯にでもなれば、稽古の仕方自体を工夫していくほかありません。
実は、
一つの術理の理解にしても、想像以上に「勘違い」「思い込み」
が多く紛れ込むことを、体験的に思い返しています。
それに、
わからないレベルを学ぶのですから、頭で考えすぎて「下手な考え休むに似たり」
状態にもなりかねません。
繰り返しやって(身に付ける)ことが稽古の主眼ですから。
いわばそれだけ、
多層的なものを統合しなければ、技はかからないというわけです。


もしも、
二日酔いで仕事を失敗することが繰り返されたならば、
単に、酒の呑みすぎから二日酔いになったのか、
日本酒やワインを交えてしまった体質との相性が悪いのか。
そうではなく、
仕事のストレスを抱えた心身のコンディションのせいだったのか。
それとも、
楽しく酔うという、酒に臨む心構え自体を失念していたからか。
あるいは、
未知の病が隠されているのか。
検証と新たな仮説、書き換え・・をしないと、致命的な事態にもなりかねません。
一事が万事、
稽古の仕方がいかに肝心なことか、と身震いする思いです。


酒杯を手にとりながら、
(気剣体一致)(酒とのつながり)(接触と変化)
(入り身して口腔で味わい)
(天の気・地の力)で胃の腑に落とし込む・・
秋の夜長、
そんな妄想を愉しみつつ、熱燗を味わうことにしましょう。







47  山登りと合気道って・・?

2018-09-30 | 日記
秋の連休、
半ば衝動的に、7年ぶりの北アルプス、槍ヶ岳登山に挑戦。
かつての山歩き仲間が次々と山行から脱落、初めての方々の列に参加。
13キロの荷物を背負い、3000㍍まで高度差1500㍍の峻険な山道を
往復40キロ余り踏破することに。

呼吸法など、登山の基本はさておき、
今回の主題は、合気道の日頃の稽古の仕方を間違えていないかどうか、
確かめること。
運動の主体は下半身、そのためには体幹と下半身のつながりが肝心、
(ヨイショ)歩きは厳禁、顔や上体が前へ突っこまない・・ことを言い聞かせます。
そして「踵」。
非力なわたしが登山するには、
報エネで地のチカラを十二分に頂戴することしかありません。

初日は10キロ余りほぼ平坦でしたから、足取りも軽く気分は爽快♪
問題の2日目、約8時間の行程の90%が登りです。
肩のチカラを抜き、日頃の構えを思い出すと、なるほど、荷の重みも軽くなるでは
ありませんか!
小刻みに足場を踏んで登っていくと、身体の割れ具合もよくわかります。
今回は特に、踵に意識を置きながら、(蹴らない歩き)を意識。
稽古代わりと思い、ストックは一切使いません。

とはいえ・・
5時間6時間と登りばかりが続くと、さすがに、齢は否めません。
登山慣れした他の人のピッチについていくのが、しんどいこと。
やがて腿に疲労がたまり、脚が上がらず、体力もぎりぎりに。
バランスも崩れがちになり、(ヨイショ)歩きの連続・・

最後は、目はかすみ、息も絶え絶えの体たらくでした。
ま、毎晩の呑んベえぶりのツケを払った格好です。
(最終日は20キロ余りを下りばかり。これは、普段の稽古が活きました)

結論、
スタミナ切れは、合気道の稽古の仕方以前の問題でした。
行程自体、ベテランと同じペース配分では分が悪すぎます。
もっと、1.5倍くらいのゆったりしたペースで、休憩をゆったりとれる計画にせねば。

長丁場の山行に臨む心掛けが間違っていたわけです。
トレーニングをしていても、体力は下降線をたどるに違いありませんから、
齢に応じた省エネ登攀の体術を身に付けねば、これ以上は無理です。
どなたか、
怠け者の呑兵衛でも可能な合気道的登山の技を知っていたら教えてください。


47  山登りと合気道

2018-09-29 | 日記

秋の連休、
半ば衝動的に、7年ぶりの槍ヶ岳登山に挑戦。
かつての山歩き仲間が次々と山行から脱落、初めての方々の列に参加。
13キロの荷物を背負い、3000㍍まで高度差1500㍍の峻険な山道を
往復40キロ余り踏破することに。

呼吸法など、登山の基本はさておき、
今回の主題は、日頃の稽古の仕方が間違えていないかどうか、
確かめること。
運動の主体は下半身、そのためには体幹と下半身のつながりが肝心、
(ヨイショ)歩きは厳禁、顔や上体が前へ突っこまないことを言い聞かせます。
そして、踵。地のチカラを十二分に頼みに頂くことです。

初日は10キロ余りほぼ平坦でしたから、足取りも軽く気分は爽快。
問題の2日目、約8時間の行程の90%が登りです。
肩のチカラを抜き、日頃の構えを思い出すと、なるほど、荷の重みも軽くなるでは
ありませんか!
小刻みに足場を踏んで登っていくと、身体の割れ具合もよくわかります。
今回は特に、踵に意識を置きながら、(蹴らない歩き)を意識。
稽古代わりと思い、ストックは一切使いません。

とはいえ・・
5時間6時間と登りばかりが続くと、さすがに、齢は否めません。
登山慣れした他の人のピッチについていくのが、しんどいこと。
やがて腿に疲労がたまり、脚が上がらず、
バランスも崩れがちになり、(ヨイショ)歩きの連続・・

最後は目はかすみ、息も絶え絶えの体たらくでした。
ま、毎晩の呑んベえぶりのツケを払った格好です。
(最終日は20キロ余りを下りばかり。これは、普段の稽古が活きました)

結論、
スタミナ切れは、合気道の稽古の仕方以前の問題でした。
行程自体、ベテランと同じペース配分では分が悪すぎます。
もっと、1.5倍くらいのゆったりしたペースで、休憩をゆったりとれる計画にせねば。
長丁場の山行に臨む心掛けが間違っていたわけです。
齢に応じた省エネ登攀の術理を身に付けねば。
どなたか、怠け者の呑兵衛でも可能な合気道的登山の技を知っていたら
教えてください。

スタミナを養うことも課題にしたいところですが、
それは稽古場よりも日頃の習慣の中で養わないとだめでしょうね。
そこがね・・・

46  顔ツッコんでるよ~!

2018-09-18 | 日記

「ほら、顔が突っこんでるよ・・」
・・ああ、幾度、指摘されたことか。

そのたびに、(あ、いかんいかん)と、身体に基本をいいきかせるのですが、
振りかえるとどうも、稽古に積極的になるほど、そうなるようです。
(さあ、身体をつかうぞ)と、
”闘志がみなぎる”ほど、前へ傾斜するのです。
(この、勇み足の起動が曲者なんですね)

思えば、仕事でも、お酒の飲み方でも、
気分が高揚し、闘志がみなぎるほどに、(前向き)に加速する感覚が高まるのです。
ほとんどオートマチックに。
この瞬間何が起きているかといえば、
気持ちがはやる~身体は取り残される~自分が先に崩れる、です。
船は出ていく煙は残る、西と東の泣き別れ・・
まるで、幽体離脱です。

文字通り、前半生は、仕事でも恋愛でも、(前のめりの人生)
だったといえるでしょう。
いや、戦後の日本全体が経済競争に前のめりだったような気がします。
「3丁目の夕日」じゃありませんが、
カローラからクラウンへ、白からダルマへ。オロナミンC飲んで目指せ一軒家。
偏差値、収入とワンランクアップの競争と欲望、そして焦り・・
気持ちばかりがはやり、身体がつんのめったバブルへの急勾配でした。
取り残されたものの一つが肉体ではなかったでしょうか。
一見マッチョな筋肉の下で体に起きたのは、成人病、アトピー、メタボ・・
これまた、幽体離脱です。

(まあ、歴史的には明治期からの筋肉信仰、
パワーとスピードの前傾癖が浸み込んできたわけですが)

普段の言葉遣いでも同じことが生じます。
(俺の気持ちがどうして、わからないんだよ!)
(人のはなしを聞けって!)
(責任者でてこ~い!)
・・的な言葉は、筋肉ムキムキの力任せ、
びゅんびゅん,加速し、前傾してくるのがわかりますよね。
そのとき、(関係性)の中で、何が起きているるかを、
合気道おやりのみなさんは、初歩の初歩ですからよくご承知ですよね。
同じことが起きます。
(あ、いかんいかん。顔が突っこんでる)と、自覚するほかありません。
合気道って、ホント、汎用性高いですね。

今ふと思ったのですが、合気道をはじめたのは、根本的に、
経済活動一辺倒で離脱しかけた心身、幽体をもう一度、
合体させたかったからなのかもしれません。

パソコン打ってる時、買い物で購買意欲ムキムキのとき、
クーッ~とビールグラスを煽ろうとするとき・・
無意識に気持ちが前傾斜して突っこんでいく、そのとき、
ふと、師範の(顔突っこんでるよ~)の声が、聴こえてきます。
一文字腰、一文字腰・・