カトちゃんのグンとやってみよう!(チャン・グンソクさん♡) 

チャン・グンソクさんをひたすら応援するブログ

人間の時間 岡田拓朗(Takuro Okada)さん

2020-03-31 07:30:59 | チャングンソク 映画
岡田拓朗(Cinema Life Career)@takuro901さんtwitter 3月28日
『#人間の時間』
壮絶すぎるディストピア。理性がなく私利私欲がむき出しの人間が狭い世界を支配する構図になったとしたら、理性のある人間はどうなっていくのかを、状況設定と理不尽さからじわじわとえぐりながら露わにしてくる狂作。キムギドク監督の人間に対しての諦念から、人間の再構築が始まる。









岡田拓朗(Takuro Okada)さんInstagram  3月28日
taku_cinemaさん
人間の時間


善悪の境界線が揺らぐ。

壮絶すぎるディストピア。
2020年、まさか出会うと思ってなかった『ミッドサマー』より受け入れ難い世界観を映し出す映画に出会ってしまった。
これは軽はずみに誰にでもおすすめできる作品ではないです。相当引きずるしきつい。

理性がなく私利私欲な欲望がむき出しの人間が支配する狭い世界から逃れられないとしたら、理性の働く人間はどうなっていくのかを、状況設定と理不尽さからじわじわとえぐりながら露わにしていく狂作。

そこにはキムギドク監督から見てこれが人間であることに対しての一種の諦念があるように感じて、そこから人間をどう見てどう構築していくのがよいかを彼の視点から視聴者につきつけてきているような気がする。

彼の過去作をそこまでたくさん鑑賞できてるわけではないが、ある意味人を(理性あるものとしての)人として見ていない節があるなとは確かに感じてはいたが、これほどとなるとちょっと話が違う。

これが万人共通の人間の本性であり、それを炙り出している作品なんだと言われても(一部はまあそうなんだろうけど、)なかなか厳しいしさすがに受け入れ難いし、納得できないし、してたまるもんかと抗いたくなる。

善悪を理不尽に揺らがしてくる胸糞悪い感覚を確かに感じた。
いやこれは胸糞悪いに収まらず、もう頼むからこれ以上はやめてくれのレベルに到達していた。

そもそも方舟に乗って旅を始める時点で、人間としての理性がちゃんと働いている人があまり存在していない。
主たるキャストの中だとイヴ(藤井美菜)とタカシ(オダギリジョー)だけで、境界線にアダム(チャングンソク)がいるような感じだった。
だから理性がなく欲望にまみれている人たちの中に、理性があって善悪の判断がしっかりとできる人たちが構図でいうと2:8くらいのイメージ。
ここはもっとバランス取ってもよかったんじゃないかなと思った。

ただし、タカシが早々にこの映画の中で離脱するのとアダムが、早々に理性を崩し出すから、すぐに地獄行きへの拍車がかかっていった。
ここには違和感がある。
人はもっと理性があり葛藤しながら、生にしがみついていく上での変化が起こっていくならまだしも、序盤からそこまで欲望や欲求やよくない感情に振り切れるかと。

これはキムギドク監督から見たあらゆる立場の韓国人をイメージして、あえてそういう描き方をしているのだろうか。
政治家とヤクザの性質や体質、そして関係性。
明らかに理性があるかどうかを韓国人と日本人の描き方でわけてる気がするんだけど、これは気のせいかな…。
全員韓国で人気である俳優とはいえ、あえて藤井美菜とオダギリジョーを日本人役として、プラスでチャングンソクをキャスティングしてる辺り、キムギドク監督から見て明確にわけてる気がしてならない。
だとしたら自国の人間に対しての不信感が強すぎるなと感じた。これ韓国で放映できるのか?
実際意図してなのかはわからないが。

そしてその培った理性が様々な理不尽を受け、さらに生死をもわけていく状況になったとき、どう抗おうとしても崩れてしまうことが徐々にえぐり出されていく。
あらゆる理性があることによる線引きが無残にも壊されていき、カニバリズムという最終形態に陥る。

ここは映画『野火』を観ている感覚に近いものがあった。
方舟で食料がなくなっていき余裕が全くない極限状態に陥ったときに、人はどのような行動をとっていくのか。
そこに理性なんて通用しない。
抗えるとしたら新たな生命を宿し、それを後世に残すことだけだ。

この映画でまだ受け入れられる点があるとしたら、死ぬ間際の人間の弱さが描かれている点、自然の摂理が流れるように映し出されている点、そして人間は自然によって構築されているという落とし込み方とそこからくる必要以上に求めずに自給自足で生きる人間の模範的生き方をラストで見せてくれた点くらいであった。
それ以外は監督から見る人間の性悪的本性に振り回されっぱなしで気分が悪くなる。

人間は余裕がある(ある程度ちゃんと欲望を満たすことができている)からこそ理性を保つことができる。
でも誰かが必要以上に求めたりマウントを取ろうとしなければ、共存の道は見つかるはずである。
欲望にまみれた人間を映し出したその先に人間のあるべき姿を映し出す。
そのあるべきはあくまでべきであるから、いとも簡単に崩れるの繰り返しにならざるを得ないのか。

結局ラストあんな感じで終わってしまったから、キムギドク監督の中で止められない欲望の負の連鎖は繰り返されていて、もうそういうものだと受け入れて次に進むためにこの映画を作ったのかなと。

P.S.
藤井美菜の演技が凄かった。
日本の監督ではこんなにも凄い女優を引き出せる方がいなかったのか。
チャングンソクもこの役まさかだったなー!
失礼ながらここまでの実力派とは思ってなかったです。凄かった!
個人的にはオダギリジョーをもっと見たかった。
あそこで殺される展開は納得いかなかった。
彼がいたら中盤以降でもっと幅広がって深まる作品にもなったと思うんだが。

#映画#人間の時間#キムギドク#藤井美菜#チャングンソク#アンソンギ#イソンジュ#リュスンボム#オダギリジョー#韓国映画#映画好きな人と繋がりたい



最新の画像もっと見る