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それぞれのアダム&イブ。。予備校最終編 Part9

2013-07-01 10:01:52 | gumrie


18歳の春、「来春の大学合格!」を目指し予備校の日々がスタート。
意外にも男女の比率は男子がチョット多い程度。
浪人してまで大学に行こうとする女子が多いのは県民性が反映していた。

当時の県全体で高校進学率は99%、大学・短大・専門は80%近くと高い。
女子の場合は、嫁入り道具のひとつに学歴が物を云う。
学生の時、就職の時、結婚の時にはかなりの重要視される関所になる。
特に結婚となれば、我が家に優秀な血を入れたい。
生まれてからそんな思惑の中で生活する日々。
偏差値の低い学校を出てれば、
嫁ぎ先でイザコザの際に必ず引き合いに出される学歴の事。
そんな根深い気質は、たとえ女の子でも親は浪人させることを厭わない。
この暗黙の了解があるから、必然的に浪人生女子は他県より多い。

ちっぽけな地方都市の希少な予備校へ県全土から通ってくる。
その年は個性的というには並はずれた女子が集まり、
運悪く…ワタシたちの年度は美人揃い。。だった。。。


◆18歳のイブたち・・・◆

県内から集まった女子は、ある程度の学力水準に達しているツワモノ揃い。
そんな中で、私立から来た女子はワタシ一人。
2カ月も経つと成績とは関係なく仲の良いグループが出来た。
予備校で4時間勉強、お昼になれば一緒に近くの喫茶店でご飯、その後みんな図書館で2時間。
帰宅後もご飯を食べ、勉強。
図書館に行くと、医学部・国立理系の男子も自習していて、
ワタシたちが分らない個所を教えてもらったりしていた。
書くと物凄く勉強した感があるが、これが浪人生の一日。。
仲よし6人グループは全員このパターン。
それぞれの目標は明確で、
教師になるため、下着メーカーに就職するため、有名大学に入学するため。
落ちこぼれだったワタシは、彼女たちと一緒に勉強することで遅れを挽回し始めた。

そんな中ワタシたちのグループの一人が同じ予備校男子とカップルに。
その相手はワタシが「キザオ」と命名していた色香のある男子。
見た目も美男美女のカップルが誕生した。

彼女は中学・高校とずーーと高嶺の花として人目を引く美しさ。
キザオは真剣に口説き落とし、予備校内で唯一公認カップルに。
この2人はそこそこ有名大学に受かった珍しいケースだった。

そしてもう一人ステディーな大学生の彼を持つキュートな友人も
「男子払い」が大変だった。
彼女は彼の待つ国立大学にまっしぐらに勉強し、めでたく合格。

なぜかワタシにも告白してくれる男子がちらほら出没。
ただただ目指す大学に入らなければ、明るい未来は開けないと信じた時期。
告白に戸惑い、こんな所で立ち止まってはいけないと、
勇気を出して告白してくれた相手にそっけない態度。
今思えば余裕もなく、学歴というパスを手に入れたかった。

残りの4人は、一つ上国立理系男子たちに淡い恋心を抱く程度。
それでもちょっとした乙女心があったりして珍事が起きる。
ある者は夜中の勉強の合間、眉毛の手入れをして眉片方を剃り落とした…
悩んだ末、マジックで真一文字に太く書いてきたり。。
夏のノースリーブに備えお手入れ大失敗…
両脇のただれが酷く、電車の吊皮に傘の柄を掛け、傘に掴まりひと夏通学。。

今思えばホントに可愛く、純で幼かった。。

◆隠れアダムたち。。◆

淡々としたイブたちに較べ、18歳から21歳の男子は大変だったらしい。
これは受験がひと段落した後、みんなで合格祝いをした時に発覚。

この年度の美人揃いが男子たちの心を大きく乱し、水面下では告白合戦。
5月あたりがピークでほとんどの男子が撃沈。
美しいイブたちにはステディーな恋人がいたのだ。

撃沈の後のアダムたちは勉強に打ち込んだ。
「大学に受かったら。。。」

その中で一番のトピックスにワタシたちは腰が抜けそうになった。
それは予備校の中で一番のアダムは講師のMだった。

Mは唯一公認カップルの美女に愛の告白。
ドライブまでしていた。
その後美女はキザオと公認カップルになり、Mは振られた。

あまりの衝撃に、その後日友人とMにその話を問いただすと、
あっさりと「一目で心を射抜かれて、釘付けになった」と。

ワタシたちは予備校初日の声高にMが言った
「この一年間は恋愛禁止!
付き合った者同士が2人とも志望校に受かる事はない。
必ず、どちらかが落ちる。
受かりたければ恋愛はするな!いいな君たち」
の言葉を思い出した。

それはがけっぷちの浪人生には戒めの言葉であり、
覚悟を奮起させる訓示だった。
その訓示の最中にMは恋に落ちた。。
あまりのバカバカしさに爆笑しながら予備校を後にした。

      おしまい

**gumrieのつぶやき**

実は、この後の話ある。
残念だけど、これ以上は書けない。

今だにワタシの育った場所は学歴偏重社会が残ってるらしい。
必死に勉強して努力することは、絶対自分の未来に繋がる。
が、この学歴への偏重は戴けない部分がある。
色んな意味で、コレを嫌って故郷を離れたのは確かだと思う。



今回の予備校gumrie編はギリギリここまでwww
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